猶予い[語句情報] » 猶予い

「猶予い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猶予いの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
え相知れざる人々死生にかかわらず残らず当方へ御差し返し下されたく、明朝第八時まで猶予いたし候間、この段大坂を領せらるる当時の政府へ申し進じ置き候。万一、右のとお....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
早瀬 何も言わん。さあ、せめて、かえりに、好きな我儘を云っておくれ。 お蔦 (猶予いつつ)手を曳いて。 ※いえど此方は水鳥の浮寝の床の水離れ、よしあし原をたち....
南地心中」より 著者:泉鏡花
やす……思を遂げんと気がかりなよって、見ていておくれやす。私が手伝うさかいな。」猶予いあえず、バチンと蓮の果の飛ぶ音が響いた。お珊は帯留の黄金金具、緑の照々と輝....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
う唇厚きが、わが顔を見てニタニタと笑いいたれば、何をか思うと、その心はかり兼ねて猶予いぬ。 「坊ちゃん、お入んなさい、始りましたよ。」 わが猶予いたるを見て、....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、鋭くなった神経に、先刻から電燈で照らしたほど、室内の見当はよく着けていたので、猶予いもせず、ズシンと身体ごと扉の引手に持って行くと、もとより錠を下ろしたのでは....
星女郎」より 著者:泉鏡花
とある時、この目を通して何事も御覧が宜しい。さあ、お持ちなさるよう。」 三造は猶予いつつ、 「しかし、御重宝、」 「いや、御役に立てば本懐であります。」 す....