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猿真似
「猿真似〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猿真似の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
るロシアにおいてはあらゆるものが模倣に感染している証左で、猫も杓子も自分の長官の
猿真似をしているのである。こんな噂まである。なんでもある九等官は、とある小さな局....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
だけれども、只、こうして通って来るだけだ。そして、ヨカナアンを覚え、オフェリヤを
猿真似のように私は朗読する。詩人にもなってみたい、俳優にもなってみたい、そして、....
「旅愁」より 著者:横光利一
つ出来ずに威張ったところで、それや、真似が出来んということだよ。」
「いつまでの
猿真似だ。」
と矢代は云うと久慈から身体を放そうとした。
「真似出来んものなら....
「渡り鳥」より 著者:太宰治
たかられるかも知れない。 「いつか、クレヨン社に原稿を持ち込んで、あなたに荷風の
猿真似だと言われて引下った男ですよ。お忘れですか?」 脅迫するんじゃねえだろう....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
へ留学していて、浜子の良人となる筈であった養子の篠原勤は、本場で暮して見て日本の
猿真似のような皮相の欧化にすっかり嫌気がさし、帰朝後は、些も心がたのしまない。そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ものを流行《はや》らせた奴がある、やっぱり毛唐かぶれで、あっちから見て来たやつの
猿真似なんでがんしょうが、ごらんの通り、大八車の上へ四本柱を押立て、ズックで屋根....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
る。呆れ果てた奴等である。 日本本来の伝統に認識も持たないばかりか、その欧米の
猿真似に至っては体をなさず、美の片鱗をとどめず、全然インチキそのものである。ゲー....
「脳波操縦士」より 著者:蘭郁二郎
みたいに、ただ温室は暖めればいいと思っているんじゃせいぜい三回が関の山さ。それが
猿真似だ、温室の湯をスチームがわりにする位、子供だってするだろうさ……ふっふっふ....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
から、ジュリアンを自分に擬するのは滑稽だったしジュリアンの真似をするのはあわれな
猿真似にすぎなかった。ジュリアン・ソレルは貴く、ソレリアン(ソレルの亜流)は低俗....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
、石塔や卒塔婆《そとば》の影が樹の間隠れに散見していた。 勘次も提灯崖も、ただ
猿真似のようにその黄色い花の咲いている木の廻りを見渡した。二尺近くも延びている草....
「十五年」より 著者:山本実彦
きぬように思う。他の人がやってうまく行ったのを真似てみたところで、要するにそれは
猿真似にすぎぬ。
猿真似は心もちのいいものではないばかりか、人の腹のなかになんらの....
「甘鯛の姿焼き」より 著者:北大路魯山人
。たまたま東京のある料理屋で、興津だいを鱗ごと焼いて出されたことがあるが、これは
猿真似で大きな失敗である。東京のは鱗をはがして食わねばならない。鱗ごと焼くのは初....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
が、今日京大阪にみる大看板の握り寿司であるが、まるっきり問題になるものではない。
猿真似というヤツで滑稽である。いわんや他の地方のものは、食えたものではない。なく....
「我が教育の欠陥」より 著者:新渡戸稲造
り。これ我種族伝来の最善なるものに不忠なることを示すものなり。これ単に欧洲教育の
猿真似なり。これ即ち、吾人が今認めて優者とする民族に対する謬見――甚だしき謬見よ....