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「獄中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獄中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
獄《ひとや》へ入れられたという知らせが来た。放免《ほうめん》をしているおれには、獄中の苦しさが、たれよりもよく、わかっている。おれは、まだ筋骨のかたまらない弟の....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
てる内は、一刻も精神の休まる時が無く、夜も安くは眠られないが、いよいよ捕えられて獄中の人となってしまえば、気も安く心も暢びて、愉快に熟睡されると聞くが、自分の今....
追憶」より 著者:芥川竜之介
ら何か月もたたずに天城山の雪中に凍死してしまった)しかし僕は社会主義論よりも彼の獄中生活などに興味を持たずにはいられなかった。 「夏目さんの『行人』の中に和歌の....
去年」より 著者:伊藤左千夫
ない。不自由をしたことのない人には不自由な味はわからぬ。獄にはいった人でなければ獄中の心持ちはわからない。 言い延べも限りがある。とどこおった払いはいつかは払....
自叙伝」より 著者:大杉栄
いた。そして先生発明の曲伸法という運動方法を勧めてくれた。最近に僕はこの曲伸法で獄中で大たすかりをした。 先生はもう五十をよほど越しているのだろうが、昔僕が知....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
それで先ずほっとしたが、一体どういうわけであるのか、それがちっとも判らないので、獄中に人をつかわしてひそかに李にたずねさせた。 「お前の礼儀正しいのは、わたしも....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いうので、差し入れの食物のうちにかの※魚の生き鱠を入れて送った。呉がそれを食って獄中で自滅するように計ったのである。しかも呉はそれを食っても平気であった。親族ら....
獄中」より 著者:大杉栄
た日の目を見て、それ以来今日までまる七年の間ずっと謹慎している。 だから、僕の獄中生活というのは、二十二の春から二十七の暮までの、ちょいちょい間を置いた六年間....
獄中」より 著者:大杉栄
いる。 監獄人 しかし、今だってまだ、多少の野心のないことはない。現にこの「獄中記」のごときは、この雑誌に書く前には、「監獄人」とか「監獄でできあがった人間....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
でした。そんなくらいなので彼の読み物をさがすのは、Gには大きな一つの重荷でした。獄中の同志に書物を差入れるということは、何でもない簡単なことのように見えて、実は....
獄中消息」より 著者:大杉栄
夕六時頃、身受けのしろ百円ずつで、ともかくも一とまず自由の身となりました。 入獄中、同志諸君より寄せられた、温かき同情と、深き慰藉と、強き激励とは、私どもの終....
終戦前後」より 著者:織田作之助
しい予言とは、切り離して考えられぬ位である。ところが、いかに稀代の予言狂とはいえ獄中にあっては、予言癖を発揮する自由がなくなってしまって淋しいことであろうと思っ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
き旅人宿を営んでいたが、金の有る旅客を毒殺したとの疑いで高田城下へ引立てられ、入獄中に牢死した。母はそれを悲しんで、病を起して悶え死に死んだ。 兄の鉄之助とい....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
を 蕩郎枉げて贈る同心の結 嬌客俄に怨首讎となる 刀下|冤を呑んで空しく死を待つ獄中の計|愁を消すべき無し 法場|若し諸人の救ひを欠かば 争でか威名八州を振ふを....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
もしない私たちが罪になるのは了解に苦しむ。無罪だ』と述べたが懲役五ヵ月をくった。獄中でゲタの鼻緒の芯をない、封筒はりをしたが、獄房の中へもシャバのタヨリが伝わっ....