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獄内
「獄内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獄内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
。而かも、此の男でも、監獄では善行を為し得るのです。私は、こうした男の刑期を、監
獄内の善行なるものに依って、短縮した当局者の不明を痛嘆するのですが、然しそれはそ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
迫状に、当時奉公中の下女が顫え上って暇を乞うて逃げ出したと云う事もあった。 監
獄内からの発信は典獄に於て一々点検して、不穏なものは発信せしめない事になっていた....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
リア夫人が面会を懇請するようになったとき、典獄は夫人に対《むか》って、もし一度び
獄内に入るときは、再び外に出ることが出来ず、また一度び獄舎を出るときは再び帰獄す....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
と、果たして金を見いだしたので、大喜びで帰って来て、あくる朝はひそかに酒と肉とを
獄内へ差し入れてやった。それから数日の後、彼はまた言った。 「わたしはいろいろの....
「文学における古いもの・新しいもの」より 著者:宮本百合子
人として重大な発展のモメントも「癩」「盲目」などのような特異性は附随していない、
獄内の日常些事の中にさえ掴みゆくものであることを、語ろうとしていると思う。 「風....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
えられた、いわぬる換刑の者もここに来ている。チョット申しておくが、世間ではヨク監
獄内の通用語としてこの世の中のことを娑婆娑婆という。けれども、実際、今ではソンナ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
怒濤のおかげで、今日ロクロク物も云えず息もつけずにいるような吾々娑婆の俗物達と、
獄内の被告同志とを、一列に取り扱おうとするのが元来少し無理ではないだろうか。 「....
「共産党公判を傍聴して」より 著者:宮本百合子
男のひとが立ち上り堂々と演説をはじめました。杉浦啓一でした、「この間の選挙のとき
獄内で、立候補したひとよ」と○○○さんが教えてくれました。杉浦啓一は力づよい、飾....
「これでは囚人扱い」より 著者:宮本百合子
方に問題があると思います。裸にしておけば逃げないという考え方は、死なないように牢
獄内の囚人に帯をさせないという事と同じ事です。このことをつきつめたら喰わせずにお....
「パリの地下牢」より 著者:野上豊一郎
を買わしめたのである。彼女の尊大は断頭台の上に立つまで失われなかったが、さすがに
獄内の孤独は彼女をあわれな女の心に立ち戻らせたこともあったと見え、やるせない思い....
「独房」より 著者:小林多喜二
動場の一定の場所をしめし合せ、雑役を使って他の独房の同志と「レポ」を交換したり「
獄内中央委員会」というものさえ作っている、そして例えば、外部の「モップル」と連絡....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
えども、これを捕縛してもらさざるは、法律上において称すべき事なれども、その囚徒が
獄内に充満するは、祝すべきに非ず。窃盗博徒、なおかつ然り、いわんや字を知る文人学....
「新生の門」より 著者:林芙美子
幸福なあなたたちは、こんな罪のひとたちをどんなふうにお考えでしょう。わたしは、
獄内をまわりながら、働いているその人たちを見るにしのびない苦しいものを感じました....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
名に及ぶ。勝又英次郎氏その校長たり。 三日、晴れ。石田氏とともに監獄を一覧す。
獄内広からず、設備可ならざるも、囚徒を遇することすこぶる寛なりという。日本人にて....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
よく栄養を摂ることができた。むしろ困難なのは運動のできないことだった。時々はこの
獄内の檻の中の虎みたいにのそのそ歩いてみた頃もあるが、近ごろは衰弱のせいか、それ....