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「獄卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獄卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
怪な粉飾が施されているのです。幹枝は膨んだ腹をそのままに作り、他の二人には冥界の獄卒が着る衣裳を纏わせて、いわゆる六道図絵の多面像を作り上げたのでした」 とそ....
藁草履」より 著者:島崎藤村
のことを馬の過失《せい》にして、さんざんに当り散した。丁度、罪人を撻《むちう》つ獄卒のように、残酷な性質を顕したのです。馬に何の罪があろう。しかし畜生ながらに賢....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、ぐるぐると巻かれたよう。従って、前後を擁した二体の白衣も、天にもし有らば美しき獄卒の、法廷の高く高き処へ夫人を引立てて来たようである。 扉を開放した室の、患....
乱世」より 著者:菊池寛
御覧なされい! 今にも、もう一台材木を引いた車が参るから」 加藤小助が、地獄の獄卒ででもあるように、憎らしげにそういった。そのくせ、彼の顔色にも人間らしい色が....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
! ここは地獄だ!」 「しかし極楽とも申されましょう」 「血の池地獄だ! 貴様は獄卒だ!」 「甘い食物、美しい衣裳、苦労のない日々の生活向き、ここは極楽でござい....
続黄梁」より 著者:田中貢太郎
酔っぱらいが来て車に突きあたった。そこで人をやって縛って京兆尹に渡した。京兆尹は獄卒に命じて杖で敲いて殺さした。付近の人びとは皆勢いに畏れて上等の産物を献上した....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
なさんは冗談にわたしを張鬼子と呼んでいられたが、実は私はほんとうの鬼です。牛頭の獄卒です。先年、閻羅王の命を受けて、張先生を捕えに来たのですが、その途中で水を渡....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
言った。「あなたは宮殿の角の銅の柱につながれて、鉄の縄で足をくくられていました。獄卒が往ったり来たりして、棒であなたの腋の下を撞くと、血がだらだらと流れました。....
デイモンとピシアス」より 著者:鈴木三重吉
りに、相手の顔を見下しました。 するとフィロセヌスは、何にも言わずに、くるりと獄卒の方を向いて、 「おい、もう一度牢屋へ入れてくれ。」と言いました。 ディオ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
非常に流行《はや》ったもの。仏教のほうからきた遊びだといいますが、なんでも地獄の獄卒が、こどもたちをつれて通りかかると、戒問樹《かいもんじゅ》という木の下に、地....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。魂の牢獄《ろうごく》から自分を一時引き出しておいて、ふたたび牢獄の中に陥らして獄卒の手に委《ゆだ》ねたことを、彼女は彼に許せなかった。彼女はもう眠れなかった。....
処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
ネの首を所望せよといった。サロメはそれを所望した。ヘロデは躊躇したけれども、遂に獄卒に命じた。獄卒は洗礼者の首を銀の盆に載せて持って来た。そのことはマタイもマコ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
、鷺の本性を現し、合の手の、にぎやかにも、おどろおどろとした無気味な音につれて、獄卒|四方に群がりて 鉄杖振り上げ鉄の 牙噛みならし、ぼっ立ぼっ立 二六時中がそ....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
屠者であったばかりでなくまた実に死刑を執行する獄吏であった。「玄応音義」に、 。獄卒也。 ともある。彼らはその職業からして、普通人と住居を別にし、互いに相交わる....
自来也の話」より 著者:岡本綺堂
するわけにも行かないので、そのまま獄屋につないで置くと、その囚人がある夜ひそかに獄卒にささやいた。 「わたくしは盗賊に相違ありませんが、まったく彼の我来也ではあ....