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「獄窓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獄窓の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
たのではなくて、どうかして神楽坂署に於ける自白の効力を失わしめようと思って、数日獄窓裡に沈思黙考して、考え出したものであろう。 彼はあれこれと思い巡らした末、....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
は私が一生のうちに見た美しい夢の一つである。 後年|囹圄の身となるに及び、私は獄窓の下で屡々この昔日の清夢を想い起した。幸に生命があって再び家に帰ることがあっ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ところが、監獄へはいっているうちに、奇態なくらいに子供が好きになったのだ。やつは獄窓から庭に遊んでいる子供を眺めるのを、自分の日課のようにしていた。一人の小さい....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
《しし》仁人《じんじん》が、誤って法網《ほうもう》に触《ふ》れしを、無情にも長く獄窓に坤吟《しんぎん》せしむる等、現政府の人民に対し、抑圧なる挙動は、実に枚挙《....
新生の門」より 著者:林芙美子
ですけれど、ここでもわたしは駅の前で眼をまぶしくした、あの太陽の白い反射をふっと獄窓《ごくそう》のなかに眺めることが出来たのです。お陽《ひ》さんが流れるように射....
彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
誉には堪えられなかったのだ。 日毎に沈み勝になって行く父の面影を、おお、今俺は獄窓にあってもはっきりと思い出すことが出来る。 父はその問題から日毎に健康が衰....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
って横になった。 沢庵も寝た。伊織も眠った。 だが城太郎は寝つかれなかった、獄窓にある師の武蔵のことが夜もすがら考えられて、すみません――と胸の上に掌をあわ....
三国志」より 著者:吉川英治
の大敗を聞いて沈吟、食もとらなかった。 彼に心服している典獄の奉行が、ひそかに獄窓を訪れてなぐさめた。 「今度という今度こそ、袁大将軍にも、あなたのご忠諫がよ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
とく、機略縦横な謀略の才なども、ついには御自身を兵火のうちに投じ、またしばしば、獄窓につながれるなどの、帝王としては、余りにも数奇に過ぎる生涯を必然にしてしまわ....
黒田如水」より 著者:吉川英治
、喉元すぎると熱さを忘れるの喩えもありますから心に驕りの生じたときは、すぐ伊丹の獄窓を思い出すように、と希う心からでござります。――あのころ、日々、仰ぎ見ては、....