獄舎[語句情報] »
獄舎
「獄舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獄舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球図」より 著者:太宰治
なかったのである。 シロオテは、長崎へ護送された。伴天連らしきものとして長崎の
獄舎に置かれたのである。しかし、長崎の奉行たちは、シロオテを持てあましてしまった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に籠の鳥だ」 「南条――」 ここで両人の話が暫らく途切れました。話が途切れると
獄舎《ひとや》のうちは暗くありました。こちらの室では兵馬の寝息、あちらでは同じ室....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
つつ、善霊の感化を充分に受け得られるように、工夫してやるべきである。然るに地上の
獄舎制度は、その正反対をやっている。あんな悪漢と、悪霊との巣窟に犯人を収容して、....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
するのでも神のようにするのでもなかった。その薬はただ私の気質が閉じこめられている
獄舎の戸を震い動かすだけであった。すると、あのフィリッパイの囚人のように*、内に....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
典獄から懲戒に付せられた囚人が入れられる。最初の三つは死刑囚のものとされている。
獄舎にいちばん近くて、獄吏にとってももっとも便利だからだ。 それらの幽閉監房だ....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
の大きな近代風の建築物を眺めて走るのである。非常に高いコンクリートの塀がそびえ、
獄舎は堂々と翼を張って十字の形にひろがり十字の中心交叉点に大工場の煙突よりも高々....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
い切って、母がどんな顔をするかを見るのも愉快だ、と彼は思った。いわば、冤罪者が、
獄舎の中で、裁判官を冷笑しながら感ずるような冷たい喜びが、彼の心の隅で芽を出して....
「独房」より 著者:小林多喜二
私この前ドストイエフスキーの『死の家の記録』を読んでから、そんな所で長い/\暗い
獄舎の生活をしている兄さんが色々に想像され、眠ることも出来ず、本当に読まなければ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
いるので、その手は板の上に撒いてある薬草の一葉をも動かしはしなかった。法廷には、
獄舎臭と
獄舎熱とに対する予防として、一面に薬草を撒き散らし酢を振り撒いてあったの....
「偽刑事」より 著者:川田功
の恐ろしさに呆然とした。全くどうして好いのか判らなくなった。彼の眼の先へ恐ろしい
獄舎の建物さえ浮んだ。 女は巡査の答など待たないでどしどし饒舌り始めた。 「私....
「鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
つけて、吸いつけられるように読みはじめた。 また犯罪日誌の書けるのが悦ばしい。
獄舎の鉄窓をもれる月光のもとに、絞首台の幻影を掻きわけながらペンを走らす犯罪日誌....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
屈さッたらありませんでしたぜ、私あ思いますが、この上に袴でも穿いた日にゃ、たって
獄舎の苦みでさ。」 「それでもよくお前ごまかしたな。」 「先方じゃあ思もつかなか....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
においても、普通の論理においても考えて見れば実に愚々しい次第で、拘引されるだの、
獄舎に繋がれるなど云うことは良心にさえ疚しい所が無いならば少しも恐怖るに足らぬこ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
料紙を作る、縄切れを拾って、土に雑ぜて古堂の壁を修繕する、瓜の喰いさしを拾って、
獄舎の囚人に与えるなど、種々の社会奉仕的事業、慈善的事業をなさしめ、またしばしば....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
役せられているという事は、実はその中の極めて一少部分であって、あとよりあとよりと
獄舎から放免せられるものの数が、さらにそれよりも甚だ多いものであったことは、単に....