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獅噛み
「獅噛み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獅噛みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
て白い眼をむいた。それから間もなく、二学期の試験がはじまった。泡喰って問題用紙に
獅噛みついているクラスの者の顔をなんと浅ましいと見た途端、いきなり敵愾心が頭をも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お雪さんも長いことはあるめえ」 文字春はもう声が出なくなった。かれは兼吉の手に
獅噛み付いたままで、ふるえながら引き摺られて行った。 二 自分の家の....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
はなかったのです」 女はもう前後を忘れて、激しい嗚咽と共に、ダブルベッドの上に
獅噛みついた。僕はつい誘われて悲嘆する女を抱きしめたい衝動に駆られてくるのを、努....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
等工業学校の電気科の先生をしていたことを知ってるか」 「ううウ」と警部は電話機に
獅噛みついて呻った。「そそそれも存じませんが……」 「……」総監は無言だった。総....
「蠅男」より 著者:海野十三
て樽の上に蹲み、そして車からふりおとされないために顔を真赤にして一生懸命荷物台に
獅噛みついた。 「こら、無茶するな、泥棒泥棒」 「そうだそうだ。もっと大きな声で....
「地球盗難」より 著者:海野十三
つ股の裏をコンコンと突いた。亀のようなもののお尻がすこし動いたが、幹にぴったりと
獅噛みついているのか、離れない。あまり向うが泰然としているので、武夫は癪にさわっ....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
屋の中が闇となった。二人の背後に、壁穴が閉じたのである。 春部は、力一杯帆村に
獅噛みついた。帆村の指先に力がぐっと入ったのが春部に分った。 無気味な、銃刑場....
「流線間諜」より 著者:海野十三
なった。 「どうか、私を助けて下さい――」 赤毛はワナワナ慄えながら帆村の腰に
獅噛みついた。 室内にはシューシューと可なり耳に立つ音がしている。それは毒瓦斯....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
ると、鼻の先がびッしょり汗ばんで、眩暈がしそうになるのを、ジッと耐えて、事務卓に
獅噛みついていた。が、それでも段々落着くに従って、彼の脳裡に或るひとつの考えが、....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
が変って、荒々しくなってきたことです。ですから、一日中母の眼を避けて、父は紡車に
獅噛みついていたのでしたわ。そのうえ、上の入歯を紛くしたせいもあったでしょうか、....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
と、いま三伝は、この家の何処かにいなければならぬ。早苗は、恐怖にたまらず男の肩に
獅噛みついた。 「じゃ、ど、どこにいるって云うのよ。貴方は三伝が、いったいどこに....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
が、峯吉がまだ出ていない。お品は矢のように起上ると防火扉の閂にかかった監督の腕に
獅噛みついた。激しい平手打が、お品の頬を灼けつくように痺らした。 「間抜け! 火....
「影」より 著者:岡本綺堂
、山を越えて逢いにゆく。 (重兵衛は唄を聴いている。太吉は顫えながら父に
獅噛み付いている。やがて重兵衛は立って、下のかたの窓から覗く。) 重兵衛 ああ。....
「雨」より 著者:織田作之助
出て、闘いは終った。それから十日ほど経ち学期試験が始まった。あぶついて問題用紙に
獅噛みついているクラスの者たちの顔を何と浅ましい顔だろうと思った途端、敵愾心がい....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
ッ! ゴリラ――」 小さい叫び声と共に初子はよろよろと倒れかかり、管理人の腕に
獅噛みついた。人々の眼は彼女に集った。 「この男、君、知ってるの?」と管理人が訊....