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獅子王
「獅子王〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獅子王の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
きっとあなたを離れません。あなたのためには水火にも入ります。あの『えそぽ』の話の
獅子王《ししおう》さえ、鼠《ねずみ》に救われるではありませんか? わたしはその鼠....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
曲った路にも如来は悠々と歩いている。
四《よ》たび目に尼提の曲った道にも如来は
獅子王《ししおう》のように歩いている。
五《いつ》たび目に尼提の曲った路にも、....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
家人以外の人々には意外と思われる話かも知れぬ。しかし、こうした性格があの舞台上の
獅子王の如き翁の半面に在る事を思う時、筆者は翁の人格がいよいよ高く、いよいよ深く....
「春昼」より 著者:泉鏡花
階、花唐戸。玉楼金殿を空想して、鳳凰の舞う竜の宮居に、牡丹に遊ぶ麒麟を見ながら、
獅子王の座に朝日影さす、桜の花を衾として、明月の如き真珠を枕に、勿体なや、御添臥....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
三崎まわりをして、秋谷の海岸を通った時の事である。 件の大崩壊の海に突出でた、
獅子王の腹を、太平洋の方から一町ばかり前途に見渡す、街道|端の――直ぐ崖の下へ白....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
は利者《きけもの》の亀吉という養母が睨《にら》んでいる。そして何よりも――眠れる
獅子王《ししおう》の傍に咲く牡丹花《ぼたんか》のような容顔、春風になぶられてうご....
「鵺」より 著者:楠山正雄
きとったように治ってしまいました。天子さまはたいそう頼政の手柄をおほめになって、
獅子王というりっぱな剣に、お袍を一重ね添えて、頼政におやりになりました。大臣が剣....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ことがなかった。かれは二つの歌を選んだ。一つはジョセフの物語で、一つはリシャール
獅子王の歌であった。 わたしはほんの子どもであったし、歌のじょうずへたを聞き分....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
完全に一掃されるのである。それとともに、彼の立宗以来五十三歳までの、二十二年間の
獅子王のごとき奮闘がいかにかかるやさしく、美しき心情から発し得たかに、驚異の念を....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
き人もなく、八宗九宗の碩徳たち虎豹鶴鷺と勝ぐれたまえる中にも絶類抜群にて、譬えば
獅子王孔雀王、我らが頼むこの寺の塔も絶類抜群にて、奈良や京都はいざ知らず上野浅草....
「三国志」より 著者:吉川英治
分ではないか」 「お怒りは、重々、ごもっともでございまするが」と、宋憲は、怒れる
獅子王の前に、ひれ伏したまま言い訳した。「何ぶんにも、その強盗が、ただの野盗や山....
「三国志」より 著者:吉川英治
ている男です」 案内に立った敗兵のひとりが支流の対岸を指した。百獣を追いまわす
獅子王のような敵の一大将が遠く見える。 「……?」 玄徳はややしばらく眸をこら....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
狼は如何にも悪党らしく、狐は奸智に長けた風になって居る、など中々巧みである。其内
獅子王だけは唐服を着して居り、又蟻は頭の上に止ったように描かれてあるのが子供心に....