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「獅子鼻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獅子鼻の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
装《いでたち》を見て、 「なんだ、査公《おまわりさん》でねえだ」と、一人の若者、獅子鼻《ししっぱな》を動《うごか》しつつ忌々《いまいま》し気にいうと、中に交った....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の方達じゃ。片腕ずつ殺《そ》いでおくのも却って面白かろうぞ。ほら、今度はそッちの獅子鼻じゃ。――すういと痛くないように斬ってつかわすぞ」 言ったかと思うと、本....
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
の事に連帯して出るのが常になっている。家従どもは大抵|菊石《あばた》であったり、獅子鼻《ししばな》であったり、反歯《そっぱ》であったり、満足な顔はしていない。そ....
少女病」より 著者:田山花袋
の不調和が路傍の人々の閑な眼を惹くもととなった。 年のころ三十七、八、猫背で、獅子鼻で、反歯で、色が浅黒くッて、頬髯が煩さそうに顔の半面を蔽って、ちょっと見る....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
感じだけがわかればよろしいのであります。 先ず和製では、野生的の勇気を表わす「獅子鼻」を筆頭に、意地の悪い感じを与える「鷲鼻」、お人好しと見られる「団子鼻」、....
放生津物語」より 著者:田中貢太郎
のことを話していた十四五に見える小供は、両手で髪の上を掻きあげるようにしながら、獅子鼻の鼻糞の附いている鼻を前へ突き出すようにした。 「松公、汝は放生の亀の話を....
桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
した。女はたれた目尻の両端を両手の指の先で押えて、クリクリと吊りあげて廻したり、獅子鼻の孔へ二本の棒をさしこんだり、逆さに立ててころがしたり、だきしめて自分のお....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
だけれど右と左と大きさが全く違つて、一つは円く一つはやゝ三角に飛びでゝゐる。鼻は獅子鼻、口の片側がめくれたやうにねぢくれて出ッ歯で、そばかすだらけだが、全体とし....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
六であった。 さして痩せてるわけでもないが、六尺もあるから針金のようにみえる。獅子鼻で、ドングリ眼で、醜男そのものだけれども、私はしかし、どういうせいか、それ....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
クラテスの眼付きに似ているのであった。非常に智的な眼付きなのであった。鼻は所謂る獅子鼻であった。唇がムックリ膨れ上っていた。二つながら強い意志の力の、表現だと云....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
くて短い眉毛、それと比較して調和のとれた、細くて小さくてショボショボした眼つき、獅子鼻ではないが似たような鼻、もうこれだけでも贔屓目に見ても、美男であるとはいわ....
二十六夜」より 著者:宮沢賢治
* 旧暦《きゅうれき》の六月二十四日の晩でした。 北上《きたかみ》川の水は黒の寒天よりももっとなめらかにすべり獅子鼻《ししはな》は微《かす》かな星のあかりの底にまっくろに突《つ》き出ていまし....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
で、暫らく父御さんの顔を見られなかったが、やがて見ると、律義そうなその顔に猛烈な獅子鼻がさびしくのっかっており、そしてまたそれとそっくりの鼻がその人の顔にも野暮....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
アポロの面にいくら絵の具をなすりつけたって、ドモ又の顔にはなりゃしないや。も少し獅子鼻ででこぼこのある……まあこれだな、ベトーヴェンで間に合わせるんだな。 青島....