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「獣心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獣心の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
のらせて行った。五円紙幣を手に入れたものは、顔までが、悪魔の弟子のようになった。獣心が、檻を破り、ムラムラと、飛びだした。一味の者は、細心の注意をもって、機会を....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
進化の道程は先ず獣から発している事を証せられております。同様に人類文化の推移は、獣心から人心に進むところに在ると解かれております。数千年前にこの意味を象徴し得た....
十二支考」より 著者:南方熊楠
には楽羊《がくよう》や史牟《しぼう》が立身のために子甥《しせい》を殺したは、人状獣心、この猴が友のために命を惜しまぬは、獣状人心だと讃美しある。されば帝舜が天子....
惨めな無我夢中」より 著者:宮本百合子
あると思います。 相互に真実な愛もなく、一方は無智による無我夢中、一方は醜劣な獣心の跳梁にまかせての性的交渉が結ばれたとしたら、そして、その百鬼夜行の雰囲気が....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
亥太郎始め、皆々手に/\獲物を携え、中にも亥太郎は躍起となって、 亥「さア人面獣心、逃げるなら逃げて見ろ、五体を微塵に打砕くぞ」 文「大伴氏、最早逃げようと....
蝕眠譜」より 著者:蘭郁二郎
にされた人形の体全部に、点々とした、くちづけの跡を発見した時、私の心の隅にあった獣心が、力強く起き上って来、烈しい嫉妬に、思わず椅子をはねのけて立上った。 (夢....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
あきたらない気もちと変った。そして、そのためらいの間に、孫兵衛の殺念は、さかんな獣心と代り、眸はトロトロとお綱の姿態に焦きついていった。 うぬ。おぼえていろよ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
髪に、お綱はさっ――と立ち上がった。 「うぬ!」 と追いかかる孫兵衛、浅ましい獣心の沸り狂うままに、真っ暗な空屋敷の間ごと間ごとを追い廻して、今は、眼にお綱よ....
三国志」より 著者:吉川英治
のご忠節をつぶさに聞いて、まったく心服したためであります。緑林の徒とても、心まで獣心ではありません」 といったが、たちまち、馬に乗ったかと思うと、ふたたび以前....