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獲る
「獲る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獲るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
きん》を散ずべき勢いをもって、得るままに撒《ま》き散らせり。これ一つには、金銭を
獲るの難《かた》きを渠は知らざりしゆえなり。 渠はまた貴族的生活を喜ばず、好み....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
稀覯書目録が数百種あった。凡そ是等の特種書目は三百部乃至五百部を限るゆえ再び之を
獲る事は決して出来ないのだ。 無論、是等の書目の多くは日々の営業上必要なもので....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
胞に別れるのが大変に辛いと申しました。しかし兄は、長い間のはげしい恋をしてやっと
獲ることの出来たいわば恋女房と、これからは差向いで暮すわけなのですから私は唯もう....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ようなことをして意識の朦を追い散らした。考えることは悟りということ、不滅の肉身を
獲ること、この一途だった。眠りの幕がいつの間にか考えている頭の中を周囲から絞り狭....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
侯の廟内に送れば、たちまちにその姿を見うしなう。而して、その家は数日のうちに必ず
獲るところあり、云々。―― これで三本足のがまを珍重することになって、ある書家....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
深さ四丈ばかりで行き止まりになってしまって、他には抜け路もないらしく、結局なんの
獲るところもなしに引き揚げて来た。 蔡はこの話をして、自分が烏魯木斉にあるあい....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
を掛けて、自然に随順する生を営んで行こうとしている。つまるところ、無を修して全を
獲る。そこで日々の勤めは否定されねばならない。その最後の一線はどうして踏み踰える....
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
たぬ役を演じ終ると、決まって花束を贈ったのであった。 イワノウィッチがその女を
獲るのは、ほんの僅かな労力であった。二十日も経たぬ頃には、彼は彼女と一緒に、ワル....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
前川は、歩きながら、つくづく考えた。新子のような性格的にも上品な、一人の処女を
獲るためには、自分の家庭や位置や名誉までも、犠牲にする覚悟が必要なのだ。及び腰で....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
だいいだろう、未だいいだろうと思いながら一日延ばしのように、自分の仕馴れた喝采を
獲るに極った狂言から、脱け出そうと云う気を起さなかったのである。 こうした藤十....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
来た。伝右衛門、惣蔵、渡合って各々一騎を切落し、惣蔵更に一騎と引組んで落ち、首を
獲る処に折よく小山田|掃部、弟弥介来かかって、辛うじて退かしめた。弥介は、伝右衛....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
せぬ方がよい。そこで持統天皇の時から、或る特別の場合には、場所と時とを限って魚を
獲ることを禁ぜられた事もあった。奈良朝に至っては、放生を以て大なる功徳の行為とな....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ならぬ。もとはもっぱら狩猟によって生きていたでありましょうが、人口は段々殖える、
獲るべき動物は段々少くなって来る。それのみでは到底生きて行く事が出来ぬ。しかも一....
「鮎を食う」より 著者:北大路魯山人
するに鮎の肉の分子が、細かくなめらかな間が美味いのである。 桂川あたりで投網で
獲るとき、鮎は投網の下をくぐって逃げようとし、そのはずみに砂を食う。そこでその砂....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
ず、ほとんど養殖うなぎばかりといってよい。天然うなぎがいないからではなく、それを
獲るのに人件費がかかるからで、問題は商魂にある。養殖うなぎの値が天然のそれに比し....