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「獲物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獲物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
けさ》見た時も、錠がかかっていた筈だが。」 そう思うと共に陳彩《ちんさい》は、獲物を見つけた猟犬《りょうけん》のように、油断なくあたりへ気を配りながら、そっと....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
さな、先ず愛《アムウル》よりは自信があるかも知れない。』私『すると君の細君以上の獲物《えもの》がありそうだと云う事になるが。』三浦『そうしたらまた君に羨《うらや....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
なせ》、何をすると御意《ぎょい》あり。清八はこの御意をも恐れず、御鷹《おたか》の獲物はかかり次第、圜《まる》を揚げねばなりませぬと、なおも重玄を刺《さ》さんとせ....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
握り飯が一つ落ちていた。握り飯は彼の好物だった。彼は大きい鋏《はさみ》の先にこの獲物《えもの》を拾い上げた。すると高い柿の木の梢《こずえ》に虱《しらみ》を取って....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
しかしその火も消えてしまうと、あたりは前よりも暗くなってしまった。 「昼間ほどの獲物はなかった訣《わけ》だね。」 「獲物? ああ、あの札か? あんなものはざらに....
或る女」より 著者:有島武郎
その捕虜から面《おもて》をそむけて、その出来事を悪夢のように忌みきらった。冒険の獲物《えもの》はきまりきって取るにも足らないやくざものである事を葉子はしみじみ思....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
波のほうへ向ける事も得しないで、力なく漂う船の前まで来ると、波の山は、いきなり、獲物に襲いかかる猛獣のように思いきり背延びをした。と思うと、波頭は吹きつける風に....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
実際は然しそうではない。私達の用いている言葉は謂わば狼穽のようなものだ。それは獲物を取るには役立つけれども、私達自身に向っては妨げにこそなれ、役には立たない。....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ってはいるが、しかしこの時代の芸術家の頭に往来していた夢は実にただ好もしい狩猟の獲物の上にあり、そして獲物が余分に多かったときに、それを分ち与える妻の上にも少し....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
、 ワハ………… と笑って居る、其の群に近づいて見ると、一同は手に手に重も相な獲物をぶらさげて居た。而して瞬く暇にかんかん虫は総て其の場に馳せ集まって、「何ん....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
のは、水に対して石の上に、これを台にしていたのであった。 時に、釣れましたか、獲物を入れて、片手に提ぐべき畚は、十八九の少年の、洋服を着たのが、代りに持って、....
狂女」より 著者:秋田滋
の枝の繁った溝のようなところに落ちて見えなくなってしまった。で、僕はやむなくその獲物を拾いにそこへ降りていった。獲物はすぐに見つかったが、そのそばに髑髏が一つこ....
初雪」より 著者:秋田滋
りした。そうかと思うと、また、アンリ・ド・パルヴィールともあろう自分が追い立てた獲物を、町人の分際で横あい口にひどく腹を立てたりした。 「そうですわねえ、まった....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
ず、今日品川沖に赤目魚釣に往きし忘筌子、利根川(江戸川)に鯉釣に出でし江東子に、獲物を見せて愕かし呉るるも一興なり。など空想を描きつつ窓によりて進む。 田の面....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
日を見ては屡々山岳の茸を訪問する。敢て訪問するというのは、毒茸が多くて食すべき大獲物に接し得ないことと、前述の意味に出発点を置くところから狩るというような残忍な....