玄海灘[語句情報] »
玄海灘
「玄海灘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
玄海灘の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
押し流して行きそうな山霧の波に向き合って立ちました。 わたしは日露戦役の当時、
玄海灘でおそろしい濃霧に逢ったことを思い出しました。海の霧は山よりも深く、甲板の....
「玄海灘密航」より 著者:金史良
荒潮の渦巻く
玄海灘を中心にして、南朝鮮、済州、対馬、北九州等の間には、昔から伝説にもあるよう....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
過ぎたら風速四十|米突を越すかも知れん。……おまけにここは朝鮮最南端の絶影島だ。
玄海灘と釜山の港内を七分三分に見下ろした巌角の上の一軒家と来ているんだからね。一....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
と云う奴が同時に声をそろえて鳴き出したのには驚いた。同室の人達が大喜びであった。
玄海灘は大変静かだ、今朝から
玄海灘を船は走っている。然しカナリの大うねりはある。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
どこまで漕ぎつけるつもりなのですか。下関といえば内海の果てでございます、それから
玄海灘《げんかいなだ》へ出ますと、もう波濤山の如き大海原《おおうなばら》なんでご....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
す。加納さんは半信半疑で、中園はたしかに用務を帯びてシナへ行く途中ではあったが、
玄海灘で船が沈んで、助かったとは思われないが、フシギなことだと話しておられたそう....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
なるべし。消毒終りて、衣類も己れの物と着換え、それより長崎行の船に乗りて名に高き
玄海灘《げんかいなだ》の波を破り、無事長崎に着きたるは十一月の下旬なり。 十 ....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
朝鮮の東海岸でも漁獲がある。支那海にも広く棲んでいて、朝鮮西海岸、釜山沖、九州の
玄海灘、中支から南支、海南島から佛領印度支那方面にまで分布していて、支那海一帯は....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
い下さい。勿論その時分乗りものが有ろう筈もない。 然るに湧き返る青年達の血潮は
玄海灘から吹きつける肌寒い夜風位いには驚きません。歌論は歌論へ、秋月は歌心へ、帰....
「ゲテ魚好き」より 著者:火野葦平
でとれるためではない。下関が集散地になっているだけで、河豚は瀬戸内海はもちろん、
玄海灘でも、どこの海でもとれる。東京近海にもたくさんいる。ただ、周防灘の姫島付近....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
許斐山を越えると、道は西郷ノ庄を望んで展け、右の山切れには、折々、水平線低く、
玄海灘が壁画のような顔をあらわし、強い北風もしばらくは後ろの峠にさえぎられる。 ....
「明石鯛に優る朝鮮の鯛」より 著者:北大路魯山人
たいについて、京都、大阪で、子ども時分から聞きこんでいることは、
玄海灘を越してきたたいでなくては美味くないということだ。
玄海灘を通過してきたたい....