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玄米
「玄米〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
玄米の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
だいこく》の若太夫と心中沙汰になった事もあると云うが、それから間もなく親ゆずりの
玄米《くろごめ》問屋の身上《しんじょう》をすってしまい、器用貧乏と、持ったが病の....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
に。 苅った稲も扱きばしで扱き、ふるいにかけ、唐臼ですり、唐箕にかけ、それから
玄米とする。そんな面倒くさい、骨の折れる手数はいらなくなった。くる/\廻る親玉号....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れた。庄屋、名主、年寄、組頭、すべて廃止となった。享保以来、宿村の庄屋一人につき
玄米五石をあてがわれたが、それも前年度(明治五年)までで打ち切りとした。庄屋名主....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
らべると、こうも変わるものかと思われた。二人はこのごろ東京の新聞ではやる宝探しや
玄米一升の米粒調べの話などをした。万朝報の宝を小石川の久世山に予科の学生が掘りに....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
先方の青年団の協力の下に、水瓜を截り、馬鈴薯をつかみ、手ずから罹災の人々に頒ち、
玄米と味噌で五日過した人々を「生き返える」と悦ばしたそうです。其報告が私共を喜ば....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
りになった。このごろはその鈴の音もめったに聞かれないようである。ひところはやった
玄米パン売りの、メガフォーンを通して妙にぼやけた、聞くだけで咽喉の詰まるような、....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
また賃金の問題だからなおさら無関係だ。大工が何時間働こうと汽車がいくら走ろうと、
玄米が何銭であろうと、私の知った事ではないという心が、早速、私の腹の底へ横わるの....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
縁へ腰を掛け米の徳利搗きをやっていた。徳利搗きというのは他でもない。五合ばかりの
玄米を、徳利の中へ無造作に入れて樫の棒でコツコツ搗くのであって搗き上がるとそれを....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
は分けて呉れることゝ心待ちに待っていたが、四五日しても挨拶がない。買って来たのは
玄米らしく、精米所へ搗きに出しているのが目につく。ある一人の女が婉曲に、自分もそ....
「岩魚の怪」より 著者:田中貢太郎
い男に囁きかえした。 団子が無くなったので盛相を開けて、その※い男は盛相の蓋に
玄米で焚いてあるぐたぐたの飯を分け、起って熊笹の葉を二三枚|執って来てそれにのっ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
たかっています。鳩の餌を売るお婆さんの店が並んでいて、その上の素焼の小皿に、豆や
玄米が少しずつ入れてあるので、その上へ鳩が来ると、短い棒でそっと追います。買って....
「お米の話」より 著者:北大路魯山人
殊にライスカレーなんてものに使う米は、少しまずい米でないといけない。たとえば
玄米だ。
玄米は白米とは別な意味で非常にうまい。
玄米のごはんにご馳走をつけて出....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は一寸戸惑いされるんだ。これとよく似た話があるのだ。もう十年も前のことだ。麻布の
玄米煎餅の路次裏で両親と同居していた時のことだよ。そうだ、ちょうど「白金の独楽」....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
の友人が一人います。私はその小屋にこもって、この心を潔めたい。塩と野菜とわずかの
玄米とを手に入れることができたら幸いだと思っています」 秋月君はききょうの花を....