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「玄翁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玄翁の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
につけ、云おう云おうと胸を衝くのは、罪も報いも無いものを背後からだまし打に、岩か玄翁でその身体を打砕くような思いがして、俺は冷汗に血が交った。な、こんな思をする....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
と睨んで、鋭く、云い放った。 「現行犯だ!」 「エッ!」 があんと頭をひとつ、玄翁で殴打られたような気がした。彼はよろめきながら、女の顔を正面からじッと見据え....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
くありふれた餌で豚公を連れ出し、さて線路上へ来て、縄で縛るなんて面倒な事はせず、玄翁か何かで一度に叩ッ殺し、そのまま線路上へ投げ出して置く――が、しかし、この場....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
通は法性寺にかくれて剃髪した。泰親だけは無事に子孫繁昌した。 那須野の殺生石が玄翁《げんのう》和尚の一|喝《かつ》によって砕かれたのは、それから百年の後であったと伝えられている。....
殺生石」より 著者:楠山正雄
一 むかし後深草天皇の御代に、玄翁和尚という徳の高い坊さんがありました。日本の国中方々めぐり歩いて、ある時奥州....
八十八夜」より 著者:太宰治
なら、――一瞬間でも、懐疑と倦怠《けんたい》に身を任せようものなら、――たちまち玄翁《げんのう》で頭をぐゎんとやられて、周囲の殺気は一時に押し寄せ、笠井さんのか....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
皆が怕がって仕事が手につきません。私も傍におりましたが、二人で礁の頂上へあがって玄翁で破っておるうちに、どうした機かあれと云う間に、二人は玄翁を揮り落すなり、転....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
であることを見てとった。その男が今や、鉄棒の両端に鉛の丸《たま》のついてる一種の玄翁《げんのう》をルブラン氏の頭めがけて振り上げた。 マリユスはそれを見てもは....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《こんとん》たる開闢《かいびゃく》の時において、ぼろをまとい、怒号し、荒れ回り、玄翁《げんのう》をふり上げ、鶴嘴《つるはし》をふりかざし、狼狽《ろうばい》せる旧....
名君忠之」より 著者:夢野久作
れな御意……申分御座らぬ……」 尾藤内記は唖然となった。長い顔を一層長くした。玄翁で打っても潰れそうにない淵老人の頑固|面を凝視した。 二 「…....