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「玄関先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玄関先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
御出でなすった時でも、私《わたくし》が御使いから帰って見ると、こちらの御新造は御玄関先へ、ぼんやりとただ坐っていらっしゃる、――それを眼鏡越しに睨《にら》みなが....
忠義」より 著者:芥川竜之介
の間に、一方では老中《ろうじゅう》若年寄衆へこの急変を届けた上で、万一のために、玄関先から大手まで、厳しく門々を打たせてしまった。これを見た大手先《おおてさき》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にはまいりますまいか」 「承知いたしました」 軍右衛門は先に立って長屋を出て、玄関先へ半七を案内した。かれは二人の中間《ちゅうげん》をよんで、玄関の横手から再....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なた方はむかし一書き物を調べておいでになるから、定めて御承知でしょうが、江戸城大玄関先きの一件……。川越次郎兵衛の騒ぎです。あれもいろいろの評判になったものでし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らないが、新らしく作り直したらしく門柱には神教祈祷所という大きな札がかけられて、玄関先に注連が張りまわしてあった。六畳ばかりの玄関には十四五人の男や女が押し合う....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まえを見ただけでは、それが無住の家であるかどうかを覚られそうにもなかった。門内も玄関先のあたりだけは、草が刈ってあった。あき屋敷と覚られまいために、おそらくその....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
んだのですが、その初七日のあくる日、八人の若い男が赤坂桐畑の屋敷へたずねて来て、玄関先でこういうことを云い入れました。 「わたくし共は高輪辺に住まっております者....
一坪館」より 著者:海野十三
た。看護婦たちはあわてて奥へかけこむと、すぐたんかをかついで出て来た。 そして玄関先へ下りて、源一の三輪車のうしろへまわった。 「わたくし、たんか、いりましぇ....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
とるように強要した。そうして置いて警視の一行は、苅谷夫人繭子の頭から毛布を被せ、玄関先に待たせておいた自動車で搬び去ったのである。玄関先にも警官隊がいたが、そう....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
う時にその事を知らせた。すると、丁度運送屋が来ていて混雑している最中に、青楓氏が玄関先きまで来られて、家内が食事を上げたいと云うから今晩二人で来てくれないか、と....
地獄の使者」より 著者:海野十三
いよこの土居三津子がこの部屋に呼ばれることになっていた。前日三津子は護送自動車で玄関先まで来たのであるが、鶴彌の死因についての裁判医の鑑識があまりにも意外な結果....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
フアン・キイスリングの作であると告げられました。 ネルロが気がついた時は、彼は玄関先の石の上に倒れていて、パトラッシュが一生懸命彼を正気づかせようと鼻をすりつ....
火の扉」より 著者:岸田国士
のだろう? 今すぐとは言わんで、ゆつくりわしの言つたことを味つてみておくれんか」玄関先で案内をこう男の声がした。 だれも出る様子がない。 市ノ瀬牧人は、つか....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
三昧の生活に耽っている。 もう十七、八年も前のことである。 ある日、私の家の玄関先へ、一人の男があらわれて曰く、 「これは米粒ですが」 と、いって、一粒の....
九月四日」より 著者:岡本綺堂
に家の人は見えなかったので、挨拶もせずに帰った。 それからO氏の家をたずねて、玄関先で十五分ばかり話して別れた後、足ついでに近所を一巡すると、途中でいくたびか....