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「率爾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

率爾の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
九年この方いまだ感じなかったような興味を覚えた。彼はやや急《せ》き込みながら、「率爾《そつじ》ながら、少々ものを尋ねるが、その出家と申すは、年の頃はどれぐらいじ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ない。 ここに廻って来る途中、三光坂を上った処で、こう云って路を尋ねた…… 「率爾ながら、ちとものを、ちとものを。」 問われたのは、ふらんねるの茶色なのに、....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
宵節句だった」 これは声に出して云ったのである。 六七間も歩いたかしら、 「率爾ながら……」と呼ぶ声がした。 「しばらくお待ち下さるまいか」 四辺を憚った....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
御帰館と来やがらあ。それあいいが、あの二番目の侍だ。あいつがこう乙な声を出して、率爾《そつじ》ながらしばしお待ちを願う、お呼びとめありしはそれがしか――なんてこ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
て目立たざる時様の粧をなし、二人皆|跪けり。 ファウスト そんならあの率爾な火の戯を御勘弁下さいますか。 帝 (二人を揮いて起立せしむ。) ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「ではまだ、ずっと東の方の道よな。さもあろう、女子と盲づれの足では。……いや、率爾を申した。御免」 松明の幾ヒラめきは、すぐ山蔭の道へ消えて行った。つづいて....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いい出して自分で頭を掻いたものである。 「男には分らん。分らんものを、見当違いな率爾であったら、ごかんべんを願いたい」 「…………」 「これやしまった。お怒りか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の先触れなどはしておらぬ」 「ははあ、税物のお役儀で」 「いかにも」 「これは、率爾を」 と、新兵衛は自分の思いちがいをそう詫びた。けれど決して、先方のことば....