玉なす[語句情報] » 玉なす

「玉なす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玉なすの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にゆらめく陰で付き添いのお腰元が蒔絵硯《まきえすずり》を介添え申し上げると、深窓玉なす佳人がぽっとほおを染めながら、紅筆とって恋歌を書きしたためる。そのたんざく....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、世にいれられぬ名家の貧困からなる過失をあわれむもののように、きらきらとその目に玉なす露すらも宿しながら、いとたのもしげにいいました。 「ご心痛のほど、よくわか....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ずをのんだその鼻先へ、お冬は火のようにほおを染めながら、恥じに恥じつつ、上半身の玉なすはだをあらわにさらしました。 同時に目を射たのは、その二の腕に見える奇怪....
恐竜島」より 著者:海野十三
をわたり、やがて海岸のかわいた上に、そっと玉太郎をおいた。 ラツールの全身には玉なす汗が、玉太郎の目からは玉のような涙がぽろぽろとこぼれおちた。 「君は、感傷....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
青き中を、朱鷺色が八重に縫う乙女椿の花一輪。はたと幕に当って崩れもせず……お稲の玉なす胸に留まって、たちまち隠れた。 美しい女は筵に爪立って身悶えしつつ、 「....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を照らす月ながら、さっと、むら雨に濡色の、二人が水の滴りそうな、光氏と、黄昏と、玉なす桔梗、黒髪の女郎花の、簾で抱合う、道行姿の極彩色。 「永洗ですね、この口絵....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
は確に……確に骨は、夫人がここに身を投じて、朽ちず、消えず、砕けぬ――白き珊瑚の玉なす枝を、我がために残したことは、人にこそ言わね、昨夜より我は信じて疑わぬ。 ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
そして次には、水遊びを思い出しました。爽快きわまりないウォータ・シュート遊びを。玉なす汗を流しながら、好ちゃんは、何と強靭に、優雅に、飛躍したでしょう。夏の音楽....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
夢ともうつつともさっぱり区切りがつかない。ただもう暑苦しくってたまらず、顔じゅう玉なす汗でべっとりの有様、それにつく息までが、燃えつきそうな息ぐるしさだった。も....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
やかにぞ臥したりける。 思いしよりなお瘠せたり。頬のあたり太く細りぬ。真白うて玉なす顔、両の瞼に血の色染めて、うつくしさ、気高さは見まさりたれど、あまりおもか....