玉垣[語句情報] »
玉垣
「玉垣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
玉垣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
花車が先へ立って向《むこう》を見ると、破《や》れ果てたる社殿が有ってズーッと石の
玉垣が見え、五六本の高い樹《き》の有る処でポッポと焚火《たきび》をしている様子ゆ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
く御同殿の物のない一座ぎりのところで、本殿の後ろの社外に空地もあろうから、そんな
玉垣の内にでも安置してもらいたい。好事の者が盗み取ることもないとは限るまいから堅....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
沙本毘古王という方のお妹さまで沙本媛とおっしゃる方を皇后にお召しになって、大和の
玉垣の宮にお移りになりました。 その沙本毘古王が、あるとき皇后に向かって、 「....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
る事になっておりますので、ここでは荒方工事の報告を致します。一、銅像一千一百円、
玉垣外庭石代九十二円、庭造り四十八円九十銭、維持費積立金一百円、除幕式費用約百五....
「春昼」より 著者:泉鏡花
のは、優柔な御手に縋りもしよう。御胸にも抱かれよう。はた迷える人は、緑の甍、朱の
玉垣、金銀の柱、朱欄干、瑪瑙の階、花唐戸。玉楼金殿を空想して、鳳凰の舞う竜の宮居....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ流れた男の投げ飛ばした木剣を拾い取ると、それを久しぶりで音無しの構え。 社の
玉垣《たまがき》を後ろに取って、天蓋は取らず。 五社明神の境内はにわかに大きな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「あ、お婆さんか」 米友が塔の上から腰をかがめて、塔の周囲に建てめぐらした石の
玉垣の入口で見つけたのは、絵にある卒塔婆小町《そとばこまち》が浮き出したような、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くあって気がつきました。鴉《からす》が鳴いて西へ急ぐからです。 そこで、米友は
玉垣へ立てかけて置いた杖槍を取るが早いか、転ぶが如くに権現前の石段を、一息に走《....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
たのである。これを力めて得ようとすると芸術の堕落が芽をふいて来る。 僕は朱塗の
玉垣を美しむと共に、仁丹の広告電燈にも恍惚とする事がある。これは僕の頭の中に製作....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
町人然とした四人の者がある。やがて、山へ登りついて愛宕神社の前までくると、三人は
玉垣の外に立ったが、一人は拝殿の広前へ立ち入って額づき、鈴の緒を振って祈願をこめ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
になった土地の傾斜は境内《けいだい》の鳥居や銀杏《いちょう》の大木や拝殿の屋根、
玉垣なぞをば、或時は人家の屋根の上、或時は路地の突当りなぞ思いも掛けぬ物の間から....
「霊廟」より 著者:永井荷風
ほど平かであって、珠《たま》の如く滑《なめら》かな粒の揃った小石を敷き、正方形に
玉垣を以て限られた隅々に銅《あかがね》の燈籠を数えきれぬほど整列さしてある。第二....
「古事記」より 著者:太安万侶
仁天皇 后妃と皇子女 イクメイリ彦イサチの命(垂仁天皇)、大和の師木《しき》の
玉垣の宮においでになつて天下をお治めなさいました。この天皇、サホ彦の命の妹のサハ....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
るほど、そこには注連を張った大きな銀杏のたくましく聳り立っているばかり、鳥居も、
玉垣も、社殿も……牛島神社の影もかたちもが存しなかった。――乾いた地膚の、空坊主....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
つけられたもくせいの下の鶏の一つ二つ餌をあさっているのも見逃し難い…… 左手の
玉垣の中に石の井戸がある。なかば土にうもれて、明和七年ときざまれたのがよめる……....