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玉垣の
「玉垣の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
玉垣のの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
。休日の前日が来て、小菅の内へ帰る度に通新町を通る。吉原の方へ曲る角の南側は石の
玉垣のある小さい社で、北側は古道具屋である。この古道具屋はいつも障子が半分締めて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
く御同殿の物のない一座ぎりのところで、本殿の後ろの社外に空地もあろうから、そんな
玉垣の内にでも安置してもらいたい。好事の者が盗み取ることもないとは限るまいから堅....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
沙本毘古王という方のお妹さまで沙本媛とおっしゃる方を皇后にお召しになって、大和の
玉垣の宮にお移りになりました。 その沙本毘古王が、あるとき皇后に向かって、 「....
「日輪」より 著者:横光利一
彼は数人の兵士に守られつつ、月の光りに静まった萩と紫苑の花壇を通り、紫竹の茂った
玉垣の間を白洲へぬけて、磯まで来ると、兵士たちの嘲笑とともに※ッと浜藻の上へ投げ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「あ、お婆さんか」 米友が塔の上から腰をかがめて、塔の周囲に建てめぐらした石の
玉垣の入口で見つけたのは、絵にある卒塔婆小町《そとばこまち》が浮き出したような、....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
町人然とした四人の者がある。やがて、山へ登りついて愛宕神社の前までくると、三人は
玉垣の外に立ったが、一人は拝殿の広前へ立ち入って額づき、鈴の緒を振って祈願をこめ....
「霊廟」より 著者:永井荷風
乃《すなわ》ち最後の区劃に接しているのである。此処《ここ》にはそれを廻《めぐ》る
玉垣の内側が他のものとは違って、悉《ことごと》く廻廊の体《てい》をなし、霊廟の方....
「古事記」より 著者:太安万侶
仁天皇 后妃と皇子女 イクメイリ彦イサチの命(垂仁天皇)、大和の師木《しき》の
玉垣の宮においでになつて天下をお治めなさいました。この天皇、サホ彦の命の妹のサハ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
馬はお千絵を引っ抱え、お十夜は当身をくれたお綱の体を抱いている。 鳥居につづく
玉垣の蔭、そこに、なるほど最前から、二|挺の駕がすえてあった。 提灯は灯ってい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
また千寿王へは、全軍が多摩川を渡りきるまでここにいるようにといって、その紫の旗を
玉垣の外に立てさせた。何かと悠々たる義貞の指令ぶりだった。すでにきのうの一戦で敵....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
つけられたもくせいの下の鶏の一つ二つ餌をあさっているのも見逃し難い…… 左手の
玉垣の中に石の井戸がある。なかば土にうもれて、明和七年ときざまれたのがよめる……....