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「玉手箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玉手箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
うなりゃもう締めあげるにしても何をするにしても、このなぞなぞの七つ橙が大慈大悲の玉手箱なんだからと思って、ご持参あそばしたんですよ。さっそくあの野郎をさそい出し....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いわねえかもしれませんぜ」 「騒ぐな、騒ぐな。ここまで眼がつきゃ、むっつり右門の玉手箱には、いくらでも知恵薬がしまってあるんだ。そろそろとうちへけえって、あごで....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
を堀り出しに行くんだよ。その玉さえ拾ってくりゃ、白状しねえで舌をかみ切ったなぞの玉手箱も、ひとりでにばらりと解けらあ。さあ、駕籠《かご》だッ」 二丁並べて松の....
婦系図」より 著者:泉鏡花
「畜生め、拝んでやれ。」 と好事に蹲込んで、溝板を取ろうとする、め組は手品の玉手箱の蓋を開ける手つきなり。 「お止しよ、遁げるから、」 と言う処へ、しとや....
浦島太郎」より 著者:楠山正雄
て、乙姫さまは、奥からきれいな宝石でかざった箱を持っておいでになって、 「これは玉手箱といって、なかには、人間のいちばんだいじなたからがこめてございます。これを....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が一座の中にいないとは限りません。 一応アッと言わせたけれども、あけて口惜しき玉手箱ではせっかくの趣向がなんにもならぬ。こんなことならば、一応自分が見ておいて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た一品をお預り申していると思召《おぼしめ》せ、それがこの箱なんだ。ところで、この玉手箱の中身を、ほかならぬお前のことだから、見せてあげようという心意気だ、そうれ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るものか」 「さあ、あけますよ」 「よし」 百蔵は、行燈を引きずって来て、この玉手箱の傍近いところへ持寄せ、勿体《もったい》らしく、息をはずませて蓋《ふた》を....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て、あんな不思議な浦島太郎のお伽噺に作り上げたのでございましょう。最後に出て来る玉手箱の話、あれも事実ではありませぬ。別にこの竜宮に開ければ紫の煙が立ちのぼる、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
の的となったのは、当然で。 それがまた、左膳のねらいどころ。 開けてくやしき玉手箱――この四人のびっくりぎょうてんも、左膳のおもわくどおりであります。 石....
竜宮」より 著者:豊島与志雄
述べるにも及ぶまい。 ただ、注目すべきは、浦島太郎が竜宮の乙姫様から貰ってきた玉手箱のことだ。あの箱を開けたために、三年の月日が三百年の現実に還り、浦島はよぼ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
違している。他の点に於ては、食い違いがない。捜査する身にとっては、この食い違いが玉手箱。開けないうちがお楽しみで、しばらくそッととっておいて、捜査を先へ進めてゆ....
『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
行きたい構想のものであるから、この紙数では物足りない。 『新学期行進曲』と『電気玉手箱』と『新聞社見学』と『文化放送演芸――電気』とは、ともに放送の台本である。....
夜光虫」より 著者:織田作之助
てい皆いやいや引っ張り出されて、浦島太郎になって帰って来た連中やぞ。浦島太郎なら玉手箱の土産があるけど、復員は脊中の荷物だけが財産やぞ。その財産すっかり掏ってし....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
い出をしゃべる。眼をつむれば、わが家庭生活が竜宮のように鮮やかである。眼を開くは玉手箱を開けるに等しく、浦島ならねども、一瞬荒涼となり、原子野が一切の夢を打ち壊....