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「玉椿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玉椿の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
給え。きのう貰った花嫁も今日死なんとも限らんではないか、しかし聟殿《むこどの》は玉椿千代も八千代もなど、おめでたい事を並べて心配らしい顔もせんではないか。心配せ....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
徳「婆やア」 とのべつに呼んでいるから孝助も気の毒に思い、横になって枕をつけ、玉椿八千代までと思い思った夫婦|中、初めての語らい、誠にお目出たいお話でございま....
南地心中」より 著者:泉鏡花
閨に隠れて、枕も、袖も見えなんだ。 多一が屏風の外に居て、床の柱の、釣籠の、白玉椿の葉の艶より、ぼんやりとした素袍で立った。 襖がくれの半身で、廊下の後前を....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
しい、上品な、着ものの上から触られても、毒蛇の牙形が膚に沁みる……雪に咲いた、白玉椿のお人柄、耳たぶの赤くなる、もうそれが、砕けるのです、散るのです。 遺書に....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
んの襲着して、藍地糸錦の丸帯。鶸の嘴がちょっと触っても微な菫色の痣になりそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を、水紅色の絹|半※でおさえたが、且は桔梗紫に雁金を銀で....
源氏物語」より 著者:紫式部
砂《たかさご》」を歌い出した。非常に愛らしい。(「高砂の尾上《をのへ》に立てる白玉椿《しらたまつばき》、それもがと、ましもがと、今朝《けさ》咲いたる初花に逢《あ....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
もその日の夕方に、町の裏通りで冬坡に出逢った。 そこは東源寺という寺の横手で、玉椿の生垣のなかには雪に埋もれた墓場が白く見えて、ところどころに大きい杉が立って....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
でこそ鹽原の女房だ、多助の家は此の振袖の袂にある」 と云って大きに喜んで、実に玉椿の八千代までと新枕を交せ、それから夫婦共稼ぎを致しまして、少しも油断をしませ....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
の会話の巧さをつたえているといえよう。その晩のおとく孝助の新枕《にいまくら》を「玉椿八千代までと思い思った夫婦中、初めての語らい、誠にお目出たいお話でございます....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
わたつみの中に向ひて出づる湯の伊豆のお山とうべもいひけり ちはやふる伊豆のお山の玉椿やほよろづよも色はかはらじ たまくしげ箱根の海はけけれあれや二国かけてなかに....
藤の瓔珞」より 著者:田中貢太郎
憲一の好奇心が動いた。憲一はその方へ往った。建物のまわりには円竹の垣根があって、玉椿のような木の花がいちめんに咲いていたが、それは憲一がこれまで見たことのない花....
山の人生」より 著者:柳田国男
ずにはおられなかったのである。 若狭の八百比丘尼は本国|小浜の或る神社の中に、玉椿の花を手に持った木像を安置しているのみではない。北国は申すに及ばず、東は関東....