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玉砕
「玉砕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
玉砕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
になった。すると大佐は彼の作った弔辞の出来栄えを賞讃した上、「急焉《きゅうえん》
玉砕《ぎょくさい》す」と云う言葉はいかにも本多少佐の死にふさわしいなどと云う批評....
「さようなら」より 著者:田中英光
太平洋戦争中にも美徳と信じていた日本人。赤穂浪士。乃木大将。軍国の処女妻。瓦砕を
玉砕と錯覚した今度の戦いの無数の犠牲者。或いは桜田烈士、中岡|艮一《こんいち》、....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
ても善いから当り前の奴でやってみようと抗議を申し込む、もし採用されなかったら丈夫
玉砕瓦全を恥ずとか何とか珍汾漢《ちんぷんかん》の気※《きえん》を吐こうと暗に下拵....
「散華」より 著者:太宰治
玉砕という題にするつもりで原稿用紙に、
玉砕と書いてみたが、それはあまりに美しい言....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
が一にも敵を撃退し得ないかも知れぬと考えていた。だが頑張りが勝ったのだ。硫黄島が
玉砕、占領されたことも負けとは思わぬ。敵アメリカに対し、精神的に大恐怖を与えたの....
「超人間X号」より 著者:海野十三
、こんな女のからだではなく、せめて自分のからだで死にたいと思いましてね。いよいよ
玉砕《ぎょくさい》ときまったら、先生に手術してもらいたいと思いまして……」 山....
「小説の内容論」より 著者:豊島与志雄
んとする。評者の方では、描写の巧拙を以て作品の価値を律せんとする。両者相俟って、
玉砕を捨て瓦全を取らんとするに至る。かかる状態が続く時には、文壇は遂に行きづまる....
「ヒューメーンということに就て」より 著者:豊島与志雄
は行きづまった腐爛の空気が漂ってくる。――批評家の方に就て云えば、瓦全した作品と
玉砕した作品との区別がつかなくなる、膚浅な作品と深刻な作品との見分けがつかなくな....
「ジャングル頭」より 著者:豊島与志雄
して、敵前上陸をすること十三回に及んだ。最後にはサイパンに廻され、所謂サイパンの
玉砕前、負傷して千島に戻って来たのである。前線での経験の豊富なこと、誰にも引けは....
「白痴」より 著者:坂口安吾
りこしてサイパンに上陸していた。「サイパン決戦!」企画会議も終らぬうちにサイパン
玉砕、そのサイパンから米機が頭上にとびはじめている。「焼夷弾の消し方」「空の体当....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
は泣きそうな顔に微笑をうかべた。 「いえ、いいんです。私は疎開は考えません。一億
玉砕の肚ですから。最後の御奉公ですよ。それに、日本は、負けやしません。最後には勝....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
いが……」 「よし、こういこう。単刀直入、一戦を交えよう」 「戦にも法則がある。
玉砕の覚悟と見えたがどうじや」 「法則は人によつて活き、かつ死すだ。危いかな、法....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
と杓子が日本をこんなことにしてしまったのです。猫と杓子が寄ってたかって、戦争だ、
玉砕だ、そうだそうだ、賛成だ賛成だ、非国民だなどと、わいわい言っているうちに、日....
「砕けた瓦」より 著者:種田山頭火
。私は瓦であった、脆い瓦であった、自分から転げ落ちて砕けてしまう瓦であったのだ。
玉砕ということがあるが、私は瓦砕だ。それも他から砕かれたのではなくて、自から砕い....
「雨夜続志」より 著者:田中貢太郎
死んでしまや、国士だ、落伍者になって、煤ぶって死ぬるのはいけないね」 「そうさ、
玉砕さ、人間は
玉砕に限るよ」 雨の音が聞えて来た。 「雨だね、落ついて好いだろ....