玉菜[語句情報] » 玉菜

「玉菜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玉菜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
でも何でもない。けれどもその山は見上げる限り、一面に野菜に蔽《おお》われている。玉菜《たまな》、赤茄子《あかなす》、葱《ねぎ》、玉葱《たまねぎ》、大根《だいこん....
五月の朝の花」より 著者:岡本かの子
上に生れたばかりの小さいひきがえるがよちよちしている。 お! 八百屋が、大きな玉菜とオレンジを運んで来た。勝手元の方へ知らせてやろう。....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
前真黒であった落葉松の林も見えて来た。 亭主と連立って、私達は小屋の周囲にある玉菜畠、葱畠、菊畠などの間を見て廻った。大根乾した下の箱の中から、家鴨が二羽ばか....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
奇な蟹の形相に顫えている、白い純潔な肉の痛々しい恐怖が、いまだに頭に残っている。玉菜が、そのむかし海岸植物として、潮の香のむせるような断崖に育ち、終日白馬のよう....
無題(七)」より 著者:宮本百合子
光がさした。その日光は窓枠の上に雑然と置かれたシクラメンの葉ばかりの鉢や、酸づけ玉菜《カプースタ》の瓶をも照して居る。エミール・ヤニングスが世界的映画「※リエテ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
の雄大な山脈。檸檬・檳榔樹の実・汁を含んだ蕃爪樹・膚の白い巨大なココナッツ・椰子玉菜・多液性のマンゴステン・土人はこれで身代を潰すと言われてる麝香猫の実・田舎の....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
を手に店頭へあらわれ、職業的ものしずかさでそこらの塵埃を払い出した――のや、蕪と玉菜と百姓を満載したFORD――フォウドは何国でも蕪と玉菜と百姓のほか満載しない....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
から毛の生えてるリヨンの老生糸商と、生水・ENOの果実塩・亜米利加産|肉豆※・芽玉菜だけの食養生を厳守することによって辛うじて絵具付シフォンの襞着物を着れる程度....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
五月二十一日 妹は煤をつけたる顔のまゝわれ送るとて汽車にのり来る おみやげの玉菜三つをもち重り十日目にまた焼跡に帰る 帰り来て雨戸あくれば焼跡をふかく覆ひて....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
火曜と木曜には、同宿のもの一同に白パンに蜜入りの汁、それに苺《いちご》か塩漬けの玉菜、それから碾割《ひきわり》の燕麦《えんばく》がつくことになっております。土曜....
だいこん」より 著者:久生十蘭
をつくりあげる。 一生懸命に首をひねったすえ、けっきょく飾りには赤いトマトと花玉菜《シュウ・フルウル》をつける。これにマヨネーズがかかっていたら、自動販売器《....
犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
ましょう」 と、ひどく勇み立った。 ちょうど夕食|刻《どき》で、悪しつッこい玉菜《キャベツ》の羹汁《スープ》の臭いがムウッと流れ出してくる。 もっさりした....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
あ、さあ、あちらには鵞鳥《がちょう》の焼肉羮《サルミ》とモカのクレエム。小豚に花玉菜、林檎《りんご》の砂糖煮《マルメラアド》。それから、いろいろ……」 「ノン」....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
。窓は内側から見悪く鉄格子を嵌められ、床は白ちゃけて、そそくれ立っている。漬けた玉菜や、ランプの燻や、南京虫や、アンモニヤの臭が混じて、入った初めの一|分時は、....
幼年時代」より 著者:室生犀星
い小踊りをさせるのであった。 畠は、一様に規則正しい畝や囲いによって、たとえば玉菜の次に豌豆があり、そのうしろに胡瓜の蔓竹が一と囲い、という順序に総てが整然と....