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王将
「王将〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
王将の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
あった。ひどく早いのである。こちらもそれに釣られて早く指すならば、いつの間にやら
王将をとられている。そんな棋風であった。謂《い》わば奇襲である。僕は幾番となく負....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
』四三一に司農卿|揚邁《ようまい》が兎の幽霊に遇った話を載せ、『法苑珠林』六九に
王将軍殺生を好んでその女兎鳴の音のみ出して死んだとある。 『治部式《じぶしき》』....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ったのです。それは一個の駒《こま》でありました。馬の駒ではない将棋の駒で、それも
王将。婢のいうには、あの町人の三百両紛失事件が降ってわいたそのあとに、右の将棋の....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
はなぜ隠れないで、わざわざこんな処へ落ちて来たかを論じたくない。わたしは唯、平親
王将門の忘れ形見という系図を持った若い美しい一人の尼僧が、陸奥の秋風に法衣の袖を....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
こうして縷述して来ると彼の法螺の底力は殆んど底止するところを知らない。 「自ら
王将を以て任ずる奴は天下に掃き棄てる程居る。金将たり、銀将たり、飛車角、桂香を以....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
と、青く鮮麗に燦然として、異彩を放つ手釦の宝石を便に、ともかくも駒を並べて見た。
王将、金銀、桂、香、飛車、角、九ツの歩、数はかかる境にも異はなかった。 やがて....
「終戦前後」より 著者:織田作之助
てソ聯の参戦があった。その発表をきいた時、私は将棋を想いだした。高段者の将棋では
王将が詰んでしまう見苦しいドタン場まで指していない。防ぎようがないと判ると潔よく....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
と、実に堂々たるものである。天晴れの棋士ぶりだが、そばに寄って覗き込んでみると、
王将が斜めに飛んで敵の飛車を奪ったり、桂馬が敵駒を三つも四つも越えて敵地深く飛び....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
を感じないわけにゆきません。度々見るものなのでかえって気附きませんが、駒の文字は
王将から歩に至るまで、特別な書体を現し、よくもここまで模様のような形に納めたもの....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
にわたる宮方と北条幕府とのたたかいも、ほぼ終盤に入っている。 そして、北条氏の
王将の府「鎌倉」だけが、いま詰むか詰まないかの境にある。だがまた、もし下手に詰め....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
そこを奥羽の鎮守と同格なものにして、武士勢力をたがいに牽制させ、そのどちらにも親
王将軍を上において、都の朝命を、一様に布かせようという政治構想のものと見られた。....