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「王座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

王座の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
振動魔」より 著者:海野十三
れることか――僕は呉子さんのために、エジプト風の宮殿を建て、珠玉を鏤めた翡翠色の王座に招じ、若し男性用の貞操帯というものがあったなら、僕は自らそれを締めてその鍵....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
第二期計画に着々として準備を急いでいた。博士は、多数の権威を喪った我国の科学界の王座に直って、あらゆる機関を手足の如くに利用していた。殊に博士が所長を勤める研究....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
帝都二百万の市民の心臓を、一瞬にして掴んでしまったという評判のある、この「射撃手」事件が、突如として新聞の三面記事の王座にのぼった其の日のこと、東京××新聞の若手記者|風間八十児君が、此の事件に関....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
として、世界に類を求め得ないほどに冠絶したものに違いなかった。しかし、その中央で王座のように蟠って君臨しているのが、黄銅製の台座の柱身にはオスマン風の檣楼、羽目....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
器具も音楽もみな中国と大差がないのでした。 咎める者がないのを幸いに、人びとは王座のそばまで進み寄ってうかがうと、王は俄かに病いにかかったという騒ぎです。そこ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いた。その手に彼は専制君主の力を示す笏というべき鞭をふりかざしていた。正義の鞭は王座の背後の三本の釘にかけてあり、悪事をはたらくものを絶えず脅やかしていた。一方....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ホックストロットが猛威を逞しゅうせずワルツが全盛を極めていた頃に、そのワルツ界の王座を占めていたボストンワルツというやつ、そのボストンワルツへタンゴのステップと....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
のように探偵小説の興味の根本に簡単に触れておいてから、尤もらしくない、こじつけの王座にあるところの密室内の犯罪を取上げる。 「秘密の通路に類するアンフェアな解決....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ころじゃ」と口々に云い囃した。 動き易い都の人心は、十年|讃嘆し続けた藤十郎の王座から、ともすれば離れ始めそうな気勢を示した。万太夫座の木戸よりも、半左衛門座....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
に連掲され、暫らくしてから単行本となって出版された。が、露伴の名をして一躍芸壇の王座を争うまでに重からしめたのは『風流仏』であった。『露団々』は露伴の作才の侮り....
弦斎の鮎」より 著者:北大路魯山人
に優美な姿であることにもちろん異存はない。なんといっても四月から当分の間、あゆが王座を占める一つの理由は、この季節には、これに匹敵するような気の利いたうまい魚が....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の驚くべき新興貴族階級は、ついには自分を創ってくれた権力を逆に征服してしまった。王座の人物は影のごとく薄れ、一方で、ラッセル家、カベンディッシュ家、セシル家等々....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
修業をしていた。ある日、彼は法華経を人から借りて読んだ。この経は仏教経典の中では王座を占めている経で大乗仏教哲学思想の中枢になるものだと言われている。それほど宝....
小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
だしくないから、その美味さと漁獲の少なさから、いやおうなしに、松葉がれいが特等の王座を占めるといったふうな干ものである。 伊豆諸島出来のクサヤの干もの、これは....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
弱なる西洋戦史を基礎として推論する事にも若干言い分があると信ずる。 今日文明の王座は西洋人が占めており、世界歴史はすなわち西洋史のように信ぜられている。しかし....