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王手
「王手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
王手の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
を胸にもたせかけるまでにはしなかったが、含みはもたせたわけだ。 将棋でいえば、
王手はせぬが、攻め味は残して置くという手!
王手を掛ける相手はやがて来るだろう。....
「陣中日誌(遺稿)」より 著者:山中貞雄
から、マが持てん そこで連日演習である、専ら童心にかえッて戦争ごッこをやッている
王手飛車があろうと桂馬のフンドシがあろうと端歩は動かんモノである。 ―....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
八番のと、たいそうもなくいばったお口をおききのようでしたが、自慢なら自慢で、早く
王手をすりゃいいんだ、
王手をね」 「…………」 「くやしいね。恥ずかしいなら恥ず....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
っしょに参れ」 言いおくと、右門はひょうたんから飛び出した駒《こま》が案外にも
王手飛車取りに使えることになりましたものでしたから、万事は明日を期して、まず八丁....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
町ずつ捜したって八日かかるんですよ。え? ちょっと。何かいい手はねえんですかね。
王手飛車取りってえいうようなやつがね」 「…………」 「あっしが下手人でござんす....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
しゅう》して真の理想を評隲《ひょうちょく》するのは疝気筋《せんきすじ》の飛車取り
王手のようなものであります。朝起を標準として人の食慾を批判するようなものでしょう....
「如是我聞」より 著者:太宰治
通の小説というものが、将棋だとするならば、あいつの書くものなどは、詰将棋である。
王手、
王手で、そうして詰むにきまっている将棋である。旦那芸の典型である。勝つか負....
「運命」より 著者:幸田露伴
も日に勝って日に敗るゝものなり。然るに一敗の故を以て、老将を退け、驕児を挙ぐ。燕
王手を拍って笑って、李九江は膏梁の豎子のみ、未だ嘗て兵に習い陣を見ず、輙ち予うる....
「旅愁」より 著者:横光利一
知らんのだ。いざというときに、王さまを降参させるのはあ奴だからな。僕は今夜は君に
王手飛車をかけてみたのだが、どっちをくれる。さア、返答せい。」
なごやかに笑い....
「空襲警報」より 著者:海野十三
つかれ胆をつぶした。膝の上にのっていた将棋盤も、ポーンと宙にはねあがった。いまや
王手飛車とりの角を盤面に打ちこもうとしたエビス顔の辻村氏の頭の上に、将棋の駒がバ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ら何うする」
「あれえー、お父さん、恐いようっ、と、ひらりと躱《かわ》して、角の
王手だ」
若い衆は、二人を見たり、盤を見たりしながら、ほのかに、店から流れ出し....
「郷愁」より 著者:織田作之助
ろう。どんな詰将棋にも詰手がある筈だ。詰将棋の名人は、詰手を考える時、まず第一の
王手から考えるようなことはしない。盤のどのあたりで王が詰まるかと考える。考えると....
「勝負師」より 著者:織田作之助
につけ込んだような感想をほしいままにした個所も多い。合駒を持たぬ相手にピンピンと
王手王手を掛けるようなこともした。いたわる積りがかえってその人の弱みをさらけ出し....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
》り、八丁堀の合点長屋へ切れようとする角の海老床で、釘抜藤吉は勘次を相手に飛車や
王手と余念がなかった。 のどかな煙草の輪を吹きながら、藤吉は持駒で盤を叩いてい....