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「王者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

王者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
れながら、その流れの方向に、嵐《あらし》のような勢いで筆を駆った。 この時彼の王者のような眼に映っていたものは、利害でもなければ、愛憎でもない。まして毀誉《き....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
る。 あの鬼草は、逞《たくま》しい意欲に充ち満ちていて、それはさすがに、草原の王者と云うに適《ふさ》わしいばかりでなく、その力もまた衰えを知らず、いっかな飽《....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ます。行勝師の話によると、セイロン島の仏教徒は、やはり仏滅後二千五百年に仏教国の王者によって世界が統一されるという予言を堅く信じているそうで、その年代はセイロン....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
標榜して國家の運營に成功しているのは、世界にアメリカだけである。かつて自由主義の王者たりしイギリスさえ、既にイデオロギーによる統制主義國家となつている。しかして....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
ば、人間は知識のあるだけそれだけ動物におとるわけである。 老病死の解決を叫んで王者の尊を弊履のごとくに捨てられた大聖|釈尊は、そのとき年三十と聞いたけれど、今....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、国のために害を除いたのは、天の命ずるところで、犬の知恵ばかりではありますまい。王者は言を重んじ、伯者は信を重んずと申します。女ひとりの身を惜しんで、天下に対す....
荘子」より 著者:岡本かの子
が盛になって来た。従って人も変りつつあった。六国の相印を一人の身に帯び車駕の数は王者を凌ぐと称せられて居た合従の策士蘇秦は日に日に落魄の運命に陥り新に秦の宰相で....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
るかのように、闇のなかに千鳥が、ちちと鳴きしきっていた。 歌舞伎の長者として、王者のように誇を、持っていた藤十郎の心も、蹴合せに負けた鶏のように悄気きってしま....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
発達するかいささか疑問であったが、ともかくもその当時においては確かに少年俳優中の王者であった。かれは一方に学問をこころざして漢籍をよみ、英語を巧みにしたと伝えら....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の次第を述べますと、王は答えて「既に我はかの老婆になすことを許すと命じおわれり。王者に二言なし、いかんともすること能わず」と。これによって「許成命了之大塔」とい....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ころである。しかし何よりもお歌にそのおもかげが反映して、当時の世の中にあっては、王者でなければ口にもし得ない感懐がうたわれてある。その特色は、承久乱後、隠岐島に....
曠野」より 著者:小川未明
木は、考えるのでありました。 八|月の赫灼たる太陽の下で、松の木は、この曠野の王者のごとく、ひとりそびえていました。 ある日のこと、一人の旅人が、野中の細道....
」より 著者:織田作之助
と胸を突き上げた。ざまを見ろと書きかけた答案を消し意気揚々と白紙のまゝで出した。王者が自ら好んで王位を捨てるような心の余裕が感じられ、ほのぼのとした喜びがあった....
洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
にの洗い、東京ではしゃこの洗いがある。これも珍重するに足るのみならず、簡易美食の王者と言えるであろう。裏日本の各所になまずがいる。これも星がれいに匹敵するような美味さをもっている。 (昭和十三年)....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
った如く、「人飲食せざるは莫し、能く味を知るもの鮮きなり」は事実である。「一国の王者と雖も、位人臣を極めた者とて、美術を解し、食を弁ずる者はない」と、若い頃、豪....