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「玲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
下から、親ごころの無条件な気持でもって「娘よ」と呼びかけても、かの女の雪膚の如き瓏《れいろう》な性情に於て対象に立ち完全そのものの張り切り方で立ち向われて来る....
海異記」より 著者:泉鏡花
弱いものに留守をさせて、良人が漁る海の幸よ。 その夜はやがて、砂白く、崖蒼き、瓏たる江見の月に、奴が号外、悲しげに浦を駈け廻って、蒼海の浪ぞ荒かりける。 明治三十九年(一九〇六)年一月....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
にして絵かれたる、十二光仏の微妙なる種々相は、一つ一つ錦の糸に白露を鏤めた如く、瓏として珠玉の中にあらわれて、清く明かに、しかも幽なる幻である。その、十二光仏....
獏鸚」より 著者:海野十三
て?」 「……」彼はこれでも判らないかというような顔をしたのち「あれですよ、三原子さんのことです。貴方の御贔屓の……」 「これこれ」 私は帆村の方をちらと見....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
れから、今もひもじいわ。」 寂しく微笑むと、掻いはだけて、雪なす胸に、ほとんど瓏たる乳が玉を欺く。 「御覧なさい――不義の子の罰で、五つになっても足腰が立ち....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
何処へか消え去るなり。 二 ここに醜怪なる蝦蟇法師と正反対して、瓏玉を欺く妙齢の美人ありて、黒壁に住居せり。渠は清川お通とて、親も兄弟もあらぬ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
。 疑と、驚きに、浅葱が細く、揺るるがごとく、父の家主の袖を覗いて、※った瞳は瓏として清しい。 家主は、かたいやつを、誇らしげにスポンと被って、腕組をずば....
南地心中」より 著者:泉鏡花
それとなく、五人目の姫の顔を差覗くものもあった。けれども端然としていた。黛の他に瓏として顔に一点の雲もなかった。が、右手に捧げた橘に見入るのであろう、寂しく目....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
しも渠がなしたるごとく、籠の中なる琵琶を呼びて、しかく口笛を鳴すとともに、琵琶が瓏たる声をもて、「ツウチャン、ツウチャン。」と伝令すべく、よく馴らされてありし....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のない夢想家だと笑うかもしれないが、ともかくもその靄が消えるとともに、彼女の顔も瓏たる鏡のなかへ消え失せてしまったのである。 それから幾日のあいだの私の心持....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
体、什麼心算で、阿麼事を僕に頼んだのだ?」 三枝は急に顔を赤らめて答えた。 「子さん(彼の許嫁)が慎三君(その兄)とその前日より自動車旅行に出ていたのだ。そ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
った。随って商売上武家と交渉するには多才多芸な椿岳の斡旋を必要としたので、八面|瓏の椿岳の才機は伊藤を助けて算盤玉以上に伊藤を儲けさしたのである。 伊藤八兵....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
った。 翌年の三月某日、これも雨後の朝、鎌倉にゆく途中、六郷鉄橋の辺から、再び瓏たる姿に接した。描きたい、描きたいという念は、いっそう深くなった。 白峰を....
活人形」より 著者:泉鏡花
ば、得三は自殺して、人形の前に伏しいたり。 旭の光輝に照らされたる、人形の瞳は瓏と人を射て、右眼、得三の死体を見て瞑するがごとく、左眼泰助を迎えて謝するがご....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
か。実は眼に障える何物もないのであります。骨の中の髄漿と申しましょうか、明瑩々、瓏そのものであります。 けれども、いざとなると驚くべき威力を揮います。私たち....