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玻
「玻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
玻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
冬近い野は農家の軒のまわりにも、田の畦《あぜ》にも大根が一ぱい干されている。空は
玻璃《はり》のように澄み切って陽は照っている。 私は身体を車体に揺られながら自....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
るサロンだった。部屋の真中にはガラスで作った大テーブルがあって、その上には高級な
玻璃の器が所狭くならんでいた。豪華な晩餐の用意ができていたのである。ミルキ夫人は....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
かね?」 と東屋所長が言った。 「そうです……あいつは、ランプ室の周囲の大事な
玻璃窓を、外から大石でぶち破って侵入したのです」 ちょうどこのとき、三田村技手....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
硝子を拭き拭き、 「有りましたよ。いや。仲々沢山に有りましたよ。――先ず、多量の
玻璃質に包まれて、アルカリ長石、雲母角閃石、輝石等々の微片、それから極めて少量の....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
なく、室全体として静物の絵のしとやかさを保っていた。ときどき店の奥のスタンドで、
玻璃盞にソーダのフラッシュする音が、室内の春の静物図に揮発性を与えている。 人....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
想録」中の、ドン・ミカエル(千々石のこと)よりジェンナロ・コルバルタ(ヴェニスの
玻璃工)に送れる文。(前略)その日バタリア僧院の神父ヴェレリオは余を聖餐式に招き....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
両手でやっと引ける程の重量だったが、果してルキーンの云う通り、最初小鐘が明朗たる
玻璃性の音響を発し、続いて荘厳な大鐘が交った。彼はそれによって、鐘の鳴る順序が不....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
の帖があった。スタインの和※報告があった。前者はアッシリアの浮雕を撮影した全紙の
玻璃版で、極めて緻密なる細部の雕刻までを鮮明に現わして殆んど実物を髣髴せしめた。....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
にかく――(上人の手紙は取意の事)東京の小県へこの来書の趣は、婦人が受辱、胎蔵の
玻璃を粉砕して、汚血を猟色の墳墓に、たたき返したと思われぬでもない。 昭和八(一九三三)年一月....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
相に変えた。今までは処々に捩れて垂れて居て、泥などで汚れて居た毛が綺麗になって、
玻璃のように光って来た。この頃は別荘を離れて、街道へ出て見ても、誰も冷かすものは....
「小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
して、さっそくうたいだしましたが、そのこえのよさといったらありません。 「まるで
玻璃鐘の音じゃな。」と、侍従長はいいました。「あのちいさなのどが、よくもうごくも....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
それッきり、どんぶり大川へでも落っこちたら、そこでぼんやり目を開けて一番地獄の浄
玻璃で、汝が面を見てくれましょうと思ったくらいでした。 すると、近間で、すりば....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
となど聞き、聞き……地蔵菩薩の白い豆府は布ばかり、渋黒い菎蒻は、ててらにして、浄
玻璃に映り、閻魔大王の前に領伏したような気がして、豆府は、ふっくり、菎蒻は、痩せ....
「死体室」より 著者:岩村透
だが、この小使が初めて来たのが、恰も冬のことで、夜一人で、その部屋に寝ていると、
玻璃窓越しに、戸外の中庭に、木枯の風が、其処に落散っている、木の葉をサラサラ音を....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の間にありて、四隣静閑、眺望絶佳、夜景ことによし。山腹および海岸に乱点せる電灯、
玻窓に映射し来たる。 十五日、晴れ。午後、田辺氏とともに山県商店、ロンドン銀行....