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珍事
「珍事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
珍事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
てすり》が倒れて四五十人の児童庭に顛落《てんらく》し重傷者二名、軽傷者三十名との
珍事の報道である。 「大変ですね。どうしたと言うんでしょう?」 「だから私が言わ....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
踊りそこのけにして、いたずらに砂をかける者がある。あとから謝罪に来ると云うような
珍事もございました。出雲に帰りましたのは、八月の末で、京都から帰られた西田さんと....
「火星探険」より 著者:海野十三
った予言 この日、デニー博士はついにコーヒーに追駆けられた。まことに前代未聞の
珍事件であった。そしてそれをはっきりと目で見た山木が、仲間の少年たちの集っている....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
士は相手の頤をぐわーンと一撃やっつけた。とたんにあたりは大洪水となったという暁の
珍事であった。 というようなわけで、あれ以来博士は、あられもない濡衣をきせられ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
かその夜のうちに、もう一度「火星兵団」のことを、深刻に思い出さねばならぬような大
珍事に会おうとは、気がつかない。
その夜ふけに、千二は釣の道具を手にして、ただ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
は先生方で、子供の方が大地をシッカとふみしめてガサツではあるが老成しているような
珍事を見るのではないかと、ひそかに心細い思いをしているのである。 しかし、空想....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
たところの、燈影の暗い屋形船が、一ツ目橋のほうへそれようとした時に、一つの意外な
珍事が起こった。
浪人者の乗っている、燈火のついていない屋形船から、一本の小柄....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
を失い、食糧の欠配、よろこんで犬猫をくらい、豚のエサや雑草をくろう有様で、天下の
珍事に類していた私の貧乏すらも物の数ではなくなってしまった。 私の貧乏は本人が....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
持ち去られるように思ったが、そのまま気を失ってしまった。 翌日の新聞は伯爵邸の
珍事でいっぱいであった。礼拝堂の隠れ穴、ルパンの死体発見、レイモンド嬢の惨死体発....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
発してから十六日目、いよいよ月に近いた時に、不意に飛行器に狂いが生じて遂々こんな
珍事が出来したのだ。 将碁倒しになって気絶していた一行の中で、最先に桂田博士が....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
けながら一戦にも及ばず、徳川三百年の政府を穏に解散せんとするは武士道の変則古今の
珍事にして、これを断行するには非常の勇気を要すると共に、人心を籠絡してその激昂を....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
達するや、予が家の老僕迎に来りし時、先生|老僕に向い、吾輩留守中江戸において何か
珍事はなきやと。老僕額を蹙め、有り有り、大変が有りたりという。先生手を挙げて、そ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
て来ませんが、お七が櫓から倒に落ちたも同然、恐らく本郷はじまって以来、前代未聞の
珍事です。 あまりの事に、寂然とする、その人立の中を、どう替草履を引掛けたか覚....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を抜けて、玄関へ参りますとね、入る時にゃあ気がつきませんでしたが、ここにそのまた
珍事|出来の卵が居たんです。女の子で、」 「いずれそうだろう。」と金之助は故とら....
「西航日録」より 著者:井上円了
し、二十日ニューヨーク港内に入り、午後五時上陸す。この航海中は格別記すべきほどの
珍事なし。ただ海上は気候意外に寒冷にして、往々海霧中にとざされたるも、風波いたっ....