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珍品
「珍品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
珍品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
テーブル》の上の麻利耶観音と私の顔とを見比べて、もう一度こう繰返した。
「これは
珍品ですね。が、何だかこの顔は、無気味《ぶきみ》な所があるようじゃありませんか。....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ありそうな駕籠屋どもを三、四人ひっぱってきなよ」 「なるほどね、こいつあいかにも
珍品にちげえねえや。じゃ、ひとっ走りいってきますから、しっかりふたを押えていなせ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
合わせろとこう申しましたんで、さっそくお目見えにつれてまいりましたが、すばらしい
珍品じゃござんせんか。どうです! 御意に召しませんか」 「不意に妙なことをいうが....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
子に逢って家を興すに相違ないぞ」 言い終って彼は死んだ。その庫をさがすと、宝物
珍品が山のように積まれていて、およそ人世の珍とする物は備わらざるなしという有様で....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ないようにと思い、さしひかえていたが、もうがまんが出来なくなって、
「博士、その
珍品は一体、何に使うものだかおわかりですか」
と、せきこんで聞けば、博士は無言....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
よごしていたのだ。白い側には同じく炭で「免職」という一語が書いてあった。私はその
珍品を現在もそばに持っている。が、今では文字はすっかり消えて、拇指の爪でつけたよ....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
いるものです。特に唄のうたえるニューフェース、これこそ彼らの熱烈にもとめてやまぬ
珍品ですよ。飲食店のたゞの給仕女になるなんて、天分ある御方が、それは全然つまらな....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
通じるものがあるから演出次第でピカソやコクトオの芸術的放射能を現実的に発散できる
珍品なんだと倉田は高く評価したが、ヨッちやん一つぢやグロテスクも悲痛すぎて暗すぎ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
全作が附添いに看護婦を思いつくのはフシギではなかった。ところがその看護婦が当時は
珍品であった。明治十九年にようやく看護婦養成所というものができて、二ヶ年の修業で....
「黄金の腕環」より 著者:押川春浪
る人だ、この腕環は侯爵家の祖先|照子姫と云う人の用いたもので、世の貴婦人達の羨む
珍品である、之れを三人の娘の内、この年の暮に最も勇ましい振舞をしたものに与えると....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
実は私は好事家でしてな、その方面ではかなり広く、海外へも参って居りますので。相当
珍品も集まって居ります。宅は公園の直ぐ裏で。ええそうです××町です。ナーニご遠慮....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
さてはコンゴーのジャングルの土人から、コシマキのようなものをミヤゲに買う。天下の
珍品を買ったと打ち喜んで日本へもどると、日本の女の子がそれと全く同じ物をネッカチ....
「死の接吻」より 著者:小酒井不木
となって、顔の黄ろい女学生の口にかかって永久に恥をさらして居る。又、手紙故に、「
珍品」という綽名を貰って腎臓炎を起した一国の宰相もある。そう考えると、静也は手紙....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
き出して取った
血の一滴が、鵞ペンの軸の奥深く詰まっている。
またと類のないこの
珍品を
大骨董家に獲させたいものだ。
そこにはあの古い裘までが古い鉤に懸けてある....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
たが、他の店とちがい主として初期の肉筆の浮世絵を売るので有名、これまでになか/\
珍品を出して主人上村君の名が高くなった。 一体ここの通り三十間堀二丁目は、中々....