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「珍器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

珍器の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
っていた。 新羅三郎義光以来連綿と続いて来た武田家である。その間およそ五百年。珍器も集まろうというものだ。 中曲輪三分の一が曝涼の場所にあてられた。 楯無....
不審庵」より 著者:太宰治
本朝に行われ、名門豪戸競うて之を玩味し給うとは雖も、その趣旨たるや、みだりに重宝珍器を羅列して豪奢を誇るの顰に傚わず、閑雅の草庵に席を設けて巧みに新古精粗の器物....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
もいい人物なのであった。 この人間には、不思議な病癖があって、骨董《こっとう》珍器、珠玉の類を蒐集《しゅうしゅう》するためには、どのような不徳不義をも、甘んじ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
松江侯の傍流の隠居で、蝦夷や韃靼や天竺や高砂や、シャムロの国へまで手を延ばして、珍器名什を蒐集することによって、これまた世人に謳われている松平|碩寿翁その人なの....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
き出した。 「よろしい、行って確かめてやろうぞ」 胴の間の頭領の部屋は、諸国の珍器で飾られていた。 印度産の黒檀の卓子。波斯織りの花|毛氈。アフガニスタンの....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
んでいたが、これぞ赤格子九郎右衛門の娘、お菊事本名お粂であった。 船には無数の珍器宝物高貴の織物が積んである。その為船は船足重く喫水深く見えるのであった。 ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
い。そういえば主人の九郎右衛門にも、変に隠すようなところがある。それに素晴らしい珍器異具、どうも少々異国的に過ぎる。若い時代の冒険によって、蒐集したのだといわれ....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
これはとんでもない嘘なのであった。みんなは迷惑をしたのであった。 「さて、和漢の珍器、古今の名匠の墨跡、家々の重宝共此時にあらずばいつを期すべきと、我も/\と底....
三国志」より 著者:吉川英治
客の視野には、一すじの素槍の光だに、眼にふれないように隠してあった。 亭は花や珍器に飾られ翠蔭しきりに美鳥が啼いていた。はるばる呉から舶載してきた南方の美味|....
三国志」より 著者:吉川英治
をうながした。 同時に、曹真からも、同じ目的の使いが入国した。おびただしい重宝珍器の手土産が、※の武相越吉元帥と、宰相の雅丹などに贈られた。 「曹操以来、恩の....
くちこ」より 著者:北大路魯山人
がある。しかも、その酒杯が古染ネジなどであり、このわたの容器が朝鮮|斑唐津などの珍器であったとしたら、まったくもってたまらない。人生の楽事|亦多なる哉だ。 (昭和六年)....