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珍花
「珍花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
珍花の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白くれない」より 著者:夢野久作
なり。暫く辛棒し給へ。臭くとも他人の垂れしものには非ざるべしと云ふ。扨は彼の時の
珍花の種子を此男の取置きしものなりしかと思ひけれども、何とやらむ云ひ負けたる気は....
「惜別」より 著者:太宰治
い、と言いはじめた。維新の思想の原流は、やはり国学である。蘭学はその路傍に咲いた
珍花に過ぎない。徳川幕府二百年の太平から、さまざまの文芸が生れたが、その発達と共....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
掛けに、近年は電気応用という至極手数のかかった甘いことが流行り出して、一幹千輪の
珍花よりも、舞鶴、千代の里、白楽天などの銘花よりも、歌舞伎好みが百人向きで、染井....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
事がらと過去になした偉大な事がらとに分かち与えていた。あるいは石竹《せきちく》の
珍花を育てんと望み、あるいはアウステルリッツの戦いを回想して、その時間を過ごして....
「脳波操縦士」より 著者:蘭郁二郎
無意識な一服を点けながら、最後の温室に重い足を引ずって這入った時名も知らぬ熱帯の
珍花が咲き乱れ、そして馥郁としたメロンの香の中に、長々と天井の支柱からぶら下って....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が千載の古木と突兀たる岩の間に今を盛りと咲き競うて居る。
あちらこちらに種々の
珍花異草が綾なして轟々たる溪流に臨んで居る様は、人をして奇と呼び怪と叫ばしめてな....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
の他|椰子類《やしるい》等はその主なるものにて、これを点綴《てんせつ》せる各種の
珍花名木は常に妍《けん》を競い美を闘わし、一度|凋落《ちょうらく》すれば他花に換....