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珍蔵
「珍蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
珍蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
見るにすぎなかった。しかし、それ等陳列品を巡視しているうちに、恐らく法水は、彼が
珍蔵しているグロースの「古代軍器書」を、この際持参しなかったことが悔まれたに違い....
「骨董」より 著者:幸田露伴
あるから、今日でもこの人の造らせた模品が北定窯だの何だのといって何処かの家に什襲
珍蔵されていぬとは限るまい。さて、周の談を聞いて太常はまた今更に歎服した。で、「....
「伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
。 日下部太郎は、非常に高畠子爵に気の毒を感じた。子爵が贋などとはまるで思わず
珍蔵していたこの品を、自分にくれようと思いきるには余程の決心がいったろう。彼にそ....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
金で動いていると云っていい位だ。……その次が現在大阪で底曳大尽と謳われている荒巻
珍蔵……発動機船底曳網の総元締だ。知っているだろう。それから京城の鶏林朝報社長、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
して米賓スウィングル氏に贈りしに、ス氏木村仙秀氏に表具してもらい、巻物となし今も
珍蔵する由。それには山神を狼面に画きあった。今も狼を山神として専ら狩猟を司るとす....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
「実は神田の古本屋で、神尾君の蔵書を一冊みつけましてね、買いもとめて、形見がわり
珍蔵しているのです」 彼はカバンからその本をとりだした。 「神尾の本は全部お売....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
公にあがつたが、彼はいはゆる神童で、この界隈では四五歳の四郎の筆蹟を額におさめて
珍蔵する家もすくなからぬ程だつた。 十三の年に独立して、二官の店の商品、舶来の....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
の憂きを身に積む柴舟やたかぬ先よりこがれ行らん」と申す歌の心にて、柴舟と銘し、御
珍蔵なされ候由に候。 某つらつら先考御当家に奉仕候てより以来の事を思うに、父兄....
「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」より 著者:森鴎外
の憂きを身に積む柴舟やたかぬ先よりこがれ行らん」と申す歌の心にて、柴舟と銘し、御
珍蔵なされ候由に候。その後肥後守は御年三十一歳にて、慶安二年|俄に御逝去遊ばされ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
翫具《おもちゃ》を買うのだね。その証拠には今の世の名画名筆と称せられて紳士の家に
珍蔵せらるる者|殆《ほとん》ど皆《み》な偽物《ぎぶつ》ならざるはなし。十中の八、....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
である。 ある日、慧鶴は在家の法事によばれて行き、役目をしまったあと、その家の
珍蔵の大愚和尚の書軸を見せられた。文字は、うまいとも拙いとも批評に上せられぬよう....