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現す
「現す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
現すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
ない、鼻の利《き》かない、手足のない、歯や舌のない片輪ですね。そう云う片輪さえ出
現すれば、一代の Arbiter elegantiarum になります。現在人気....
「葱」より 著者:芥川竜之介
さらに違いはない。その呪文が唱えられた時、いかなる未知の歓楽境がお君さんの前に出
現するか。――さっきから月を眺めて月を眺めないお君さんが、風に煽《あお》られた海....
「竜」より 著者:芥川竜之介
、朝から午《ひる》へ、午から夕《ゆうべ》へ日影が移るのも忘れたように、竜王が姿を
現すのを今か今かと待って居りました。
「すると恵印《えいん》がそこへ来てから、や....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ない。いや、芸術と云いさえすれば、常人の知らない金色の夢は忽《たちま》ち空中に出
現するのである。彼等も実は思いの外、幸福な瞬間を持たぬ訣《わけ》ではない。
....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
知った時には――ああ、一切が恐しい夢でございます。私には到底当時の私の位置を、再
現するだけの勇気がございません。私は思わず、友人の肘《ひじ》をとらえたなり、放心....
「夢」より 著者:芥川竜之介
いつも彼女の中に何か荒あらしい表現を求めているものを感じていた。が、この何かを表
現することはわたしの力量には及ばなかった。のみならず表
現することを避けたい気もち....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
どんな間隔があろうと、いっこうそれを気にしない。そうして自己独得の芸術的感興を表
現することに全精力を傾倒するところの人だ。もし、現在の作家の中に、例を引いてみる....
「星座」より 著者:有島武郎
都合だった。第一清逸は咳が襲ってきそうなのを恐れた。しかも今、清逸の頭の中には表
現すべきものが群がり集まって、はけ口を求めながら眼まぐるしく渦を巻いているのだ。....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
敗、それを十分に噛みしめて見ればそれでいいのだ。それは然し如何に言説するに易く実
現するに難き事柄であろうぞ。私は幾度かかかる悟性の幻覚に迷わされはしなかったか。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
並びに最後の審判に関するゾロアスター教の教えは、単に宇宙系における周期的変転を表
現する影像にすぎないというのである。この後者の考えはことによるとインド哲学の影響....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ず、世には更に美しい何物かが存在しているのであるが、自分はそれを大理石や青銅へ再
現することが出来ないのであると主張していた。 「わたしは未だ曾て月の薄い光りを捉....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
織する立会人達の気分が、充分調和していてくれれば一層申分がない。交霊会の席上に出
現する燐光でさえもが、右にのぶる如き好条件の下にありては、青く冴え亘って煙がない....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
傾向になって来た。そんなら何故それらを初めから一つとして現さないか。一一分解して
現す必要が何処にあるか、とあれに書いてあったね。一応|尤もに聞えるよ。しかしあの....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
することなくこれに積極的支持と協力をあたえる。とくに第四次貿易協定の完全実施を実
現する。さらに台湾海峡をめぐる問題にかんしていえば、蒋介石グループにたいする軍事....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
く、遠くちらつくと、稀に、銚子行汽船の過ぐるに当り、船燈長く波面に揺き、金蛇の隠
現する如きを見るのみにして、樹林無く、屋舎無く、人語馬声無く、一刻一刻、人間界よ....