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現住
「現住〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
現住の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
く頃より専ら嘯く故虎が鳴くのと風が吹くのと同時に起る例が至って多いのだろう。予が
現住する田辺《たなべ》の船頭大波に逢うとオイオイオイと連呼《よびつづ》くれば鎮《....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
振舞いは、真に夫を思い子を思うの情切で、鬼を欺く係官さえ涙ぐましたと云う。 問
現住所の古家に住み込み喜平は建増したか。 答 そうです。買った古家の造作を取換....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
といおうと、今は、立派な庵主づらをしておさまっているのであった。
その鉄心庵の
現住――ときどき生ぐさ物の匂いがぷんぷんとかおって、貧乏徳利《びんぼうどっくり》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
女と合意の上で逃げるという事態に於てすらが、その目的は逃げることが本意ではなく、
現住地では越ゆるに越えられぬ人為のいばらがあればこそ、彼等は手に手を取って逃げる....
「年賀状」より 著者:寺田寅彦
ていない。また同じ人の名が色々な住所と結合してぱらぱらに散在しているので、どれが
現住所であるか、当人でさえ時々間違えることがありそうである。年賀はがきを大切にし....
「六月」より 著者:相馬泰三
た。 「曽根四郎と申します」と彼はおかしいほど丁寧に答えた。 警官は、それから
現住所、原籍、族籍、父の名、その者の第何男であるかまで詳しく聞いて一々それを手帳....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ところにも遥かに劣っていたことを考えるならば、この地方の現状と、ロシア人が数では
現住民より遥かに多くいることとに、吾々は当然驚嘆する、と云つているが4)、まこと....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
うはならない。都市の外見的死亡率はこの移住に比例しては増加しないが、けだしそれは
現住人口調査に従って計算されるからである。都市の死亡表は、正確に、これら都市に現....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
私のところへは未知の人からの賀状の方が多い。したがって、度々転居ぐせのある私の
現住所へ届くには日数がかかって、松飾りをとってから連日舞いこんでくるのである。 ....
「環礁」より 著者:中島敦
いし》があるが、共にこれを築いた人間も年代も判っていない。とにかく、その構築者が
現住民族とは何の関係も無いものだということだけは通説となっているようだ。この石塁....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
が繁殖していた。 私は見逃さずこの草を珍らしいと思って、その生根を採って来て、
現住所東京豊島郡大泉村(今は東京都板橋区東大泉町となっている)の我が圃中に植えた....
「私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
身の姓名に相違なく、生年月日原籍等も私自身のそれと寸分もかわっていなかった。ただ
現住所という欄が、死亡の場所と同番地になっていたが、それは私の一度も住んだことの....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
気がする。では、青年の話へ移ることにしよう。 ただし、物語の性質が性質だけに、
現住の人々に迷惑をかけてはいけぬから、土地の概念だけは適当に私が変化しておくこと....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
改正番地で出してくれと言う。十銭出して地番を調査係で調べてもらって六度目に出すと
現住地の寄留届をしておらぬから、寄留届をまず出してくれと言う。寄留届を出すために....
「獄中通信」より 著者:戸坂潤
らせてほしい。大阪、松井、函館、伊藤長夫自宅。なお大阪、川崎、松井、函館には僕の
現住所を知らせておくこと必要。寒さ加わるが大分身体はなれて来た。正月には早めに葉....