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「現象界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

現象界の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
っとむずかしい手合いである。 人生――もっと広くいえば我々の目賭《もくと》する現象界はこのままでは到底解釈は不可能である。心霊界があると信ずる方が理窟に合って....
河明り」より 著者:岡本かの子
、」「緑水、非怨の糸を永く曳く」などという古人の詩を見ても人間現象の姿を、むしろ現象界で確捕出来ず所詮、自然悠久の姿に於て見ようとする激しい意慾の果の作略を証拠....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
識を齎す。之以外に正当に経験とか認識とか呼ばれるべきものはない。つまりこのような現象界に就いてしか、吾々は経験や認識を有てないわけなのである。現象界の背景にある....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
、世界の根底に内存して、内より世界を支え世界を動かす力である。氏の哲学においては現象界の外に世界はない。たとい世界の外に超然として存在する神ありとするも、それは....
高浜虚子著『鶏頭』序」より 著者:夏目漱石
はずか》しめられても恥とは思わなくなる。と云うものは凡《すべ》て是等《これら》の現象界の奥に自己の本体はあって、此流俗と浮沈するのは徹底に浮沈するのではない。し....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
の相違は、その認定する宇宙の所在が、自我の観念《イデヤ》に於てであるか、もしくは現象界の実体に存するかという、内外両面の区別にすぎない。(これを音楽と絵画につい....
夜の靴」より 著者:横光利一
の出てくるのを感じ、それの伸びるのを育て眺める愉しみだ。それにしても、眼に見える現象界のことなど、米を喰いあったり、引っ張ったりすることなどには、もう幾らか私も....
科学論」より 著者:戸坂潤
。ショーペンハウアーなどは、カントを徹底すると称して、時間・空間や因果関係は専ら現象界にだけ行なわれる表象の形式だと考えた処から、本体である物そのものが吾々の表....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ういう風に物自体という観念を把握することが必要であり、夫が又最も自然なのである。現象界は、単なる現象ではなくて、いつも本質――物そのもの――の現象でしかない筈で....
学生と教養」より 著者:倉田百三
定者はどこからくるか。カントは人間の英知的性格の中にその源を求めた。しかし自由を現象界から駆逐して英知的の事柄としたのでは、一般にカントの二元論となり終わり、わ....
範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
るが、併し之を構成することは出来ないであろう。併しかく云っても無論時間空間による現象界だけが客観であるという意味ではない。けれども以上のことは次のことを証明して....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
けれど、これによって哲学の全体を蔽うわけにいかない。というのは科学的進化論はただ現象界のことにのみとどまる。そもそも進化はまず動的状態を予想して初めて説くべきで....
解説」より 著者:原田義人
な感じに打たれる。この世界で起こるできごとは、空間・時間によって規定された外的な現象界ではありえないことであるし、われわれにはまるで夢のなかで出会うことのように....