理想家[語句情報] » 理想家

「理想家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

理想家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、御断《おことわ》りするまでもありますまい。が、もしそうだとすれば、なぜまたあの理想家の三浦ともあるものが、離婚を断行しないのでしょう。姦通の疑惑は抱いていても....
「路上」より 著者:芥川竜之介
の役人と癲狂院《てんきょういん》の医者とにゃ、なるもんじゃない。」 「君のような理想家が、昔は人体｜解剖《かいぼう》を人道に悖《もと》ると云って攻撃したんだ。」....
「遺書」より 著者:尾崎秀実
ております。そうして「心からお気の毒であったと思っている」とお伝え下さい。一徹な理想家というものと、たまたま地上で縁を結んだ不幸だとあきらめてもらう他ありません....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
数十里の大無人境は、其奥の奥にあるのだ。翁の迦南は其処にある。創業から創業に移る理想家の翁にとって、汽車が開通した※別なんぞは最早久恋の地では無い。其身斗満の下....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
て許されまじき相である。 四 純潔について 完全と調和とを求める純な理想家であって、しかも事物を認識する鋭いリアリスチックな目を持っている人々がある....
「貞操の幅と限界」より 著者:坂口安吾
処女の空想や冒険心というものは非常に強力なもので、衝動的ですらあるが、同時に理想家でもあり、正義派でもあり、空想性や冒険心の強い娘さんほど、同時に理想家で、....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
い」 Ｎは非常に得意になったが、たちまち沈んだ色を現わした。 「現在君達一派の理想家がここにまた女子の断髪云々をやかましく説いているが、それは少しも得る処無く....
「役人学三則」より 著者:末弘厳太郎
と出世の妨げになるぞという忠言を与えるのほか何事もできない。このことは平素かなり理想家である君に相当の失望を与えるに違いないと想像するが、事実は事実だからどうに....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
魄と潔癖と学才とがあって、卑しいところは少しもなかった。二人とも大酒であったが、理想家で慷慨家であった。 私とはまるで年が違うので、次兄とも交際は無かったが、....
「戦後合格者」より 著者:坂口安吾
計が施されるだけの充分な素養が当然なければならない筈である。しかし彼らは空想的な理想家革命好きであることをバクロしたにすぎず、内容も品性もゼロであった。マーケッ....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
しかしあくまで都会人で、寂しがりやで、感傷的なまでに正義家で、リアリストのくせに理想家で――やっぱりそんな武田麟太郎が「ひとで」の中に現れていた。悲しい姿であっ....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
叮嚀に匿されているのが常である。善いにせよ、悪いにせよ、それが事実である。いくら理想家でも、人間に即刻裸で歩けとは言えないであろう。実に人世とは裸を埋没させる道....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
」 「かえって、怪しい……？」 「しかし、まア、女というものや学生というものは、理想家ですね。九分九厘まで行って、ギリギリの一点を残して、あとは大いに享楽して、....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
して描いた或る作家志望の女性を戒めて、婦人科医はみんな、夢のなかの女性に憧がれる理想家です、と注意している。ノアの天才と救世的な事業を忘れて、酔漢をしか彼のうち....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
は、生に対する逞しい健康な気力がもとより備わっており、虚を去って実を採る、真実の理想家の風格があるので、進んでこの大乗の真理を歓迎し文化発展の動力に使ったのであ....