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理想論
「理想論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
理想論の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
きそう極端に言うけれど、それはそこに取り除けもあるがね」 その時いつもの単純な
理想論が出る。積極的な考えと消極的な考えとがごたごたと混合して要領を得ずにおしま....
「伸子」より 著者:宮本百合子
でなら生理学上の命だけは失わずに生きられよう。が、地味が本ものでないと実らない。
理想論だが、何だね、能うべくんば、人間互にその本ものの地味を作り、また与えたいも....
「新しい躾」より 著者:宮本百合子
、さらされております。 こういう困難の中で、公明正大な人間を作ろうとするのは、
理想論だといわれるかもしれません。しかし、子供は実に敏感です。 同じ辛苦をしな....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
文学突撃隊の試とは社会主義の社会における人間の生活は斯くあらねばならない、という
理想論から出たのではあるとしても、実情はむしろ文学の行き詰りから叫ばれたのである....
「スポーツ・文学・政治」より 著者:坂口安吾
はことごとく善玉に書く、と云ってるそうだが、あの人は心にもないことを言う人でね、
理想論をいう人で、あの人の作品はいつも現実とギャップがあるようだ。石川さんなんか....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
ることができると信ずる。 右のような私案は、現在の過程においてはおそらく一片の
理想論として、何人からも顧られることがないであろう。しかし、由来理想と現実とを区....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
互いに論じ語った。もうなかごろから倉持と鎌子夫人の名は預けおかれて、高遠な芸術と
理想論とになってしまったが、つまりいつも男性はあらゆる複雑さを通り越して、単純に....
「スポーツの美的要素」より 著者:中井正一
れている時においてなおさらである。またさらに近代性の一つの流れが肉体蔑視の過去の
理想論に、正しき抗議を提出し始めている時においてまたなおさらである。 3 ス....
「ぼたもち」より 著者:三好十郎
侵略するのを、みんなが黙つて見送つてなぞいない世界だ。 次郎 それこそ夢みてえな
理想論だ。だら、現に朝鮮はどうだや? いやさ、しよつぱなに攻めこんだのが北鮮だか....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
《う》れた果実がいつか枝から落ちるように、生まれ出るもの」 表現への慾求が生む
理想論。 これを「ロマンチスト哲学」と呼ぼう。僕の眼には「許容」すなわち弱気か....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
八 それから学問としての仏教でありますが、倶舎(実在論)唯識(
理想論)というような類、そういう類の註釈というものが仏教研究には大事なものであり....
「地異印象記」より 著者:和辻哲郎
はこの種の防備を力説することがあまりに神経過敏にしてまた非実際的である、すなわち
理想論あるいは書生論であると考えたのであろう。けれども事実はそれが非実際的でなか....