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理想郷
「理想郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
理想郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
し、九十九江源地《ナブナテイヨ・ラハード》とは、三大河の水源という意味であろう。
理想郷も、よし今はなくも遺跡ぐらいはあろうと、ますます大氷嶺の奥ふかくのものに心....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
三、支那青海省の“Puspamada”いわゆる金沙河ヒマラヤの巴顔喀喇山脈中の
理想郷。 四、? 第一のアマゾン河奥地というのは「神々の狂人」と訳される。ここ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ら十まで気に入るような人間にも会えません。またしっくりと身に合うような出来合いの
理想郷は此世にありません。然らば如何する? だらしなく無為に朽ちるか。太く短く反....
「読書法」より 著者:戸坂潤
に他ならない。第三の要点は、この悪魔的ペシミズムの哲学にとって唯一の息抜きである
理想郷エルドラドーであり、そこで発見される処の「科学」への信頼と希望とだ。処でど....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
とんど何不足なき別社会といわねばならぬ。 かく見来るときには、監獄は実に一種の
理想郷である。予が休養のため
理想郷に入るといったのも、またけっして嘘ではなかった....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
たちはそれを真死と診断する外はない程巧妙な仮死だ。この二つの発明が、僕に火葬国の
理想郷を建設する力を与えて呉れた。それからこっちというものは、これはと思う人物を....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
行けば、技術はいつも単純に一般的なもので、社会の階級的構造などからは全く独立した
理想郷となるだろう。そういう
理想郷は現にアメリカのテクノクラシーと名づけられる子....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
御意《ぎょい》のままに。戦争や外交官や銀行などといったものの根絶を予想する美しい
理想郷的《ユトピック》な空想ですね。どこやら、むしろ社会主義に似ていますね。僕は....
「人の国」より 著者:豊島与志雄
事は、人類理想史という尨大な著述で、天上の神話的楽園から地上の無政府的共産主義の
理想郷に至るまで、人間の各種の理想を歴史的に叙述することであった。そのために久保....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なかった。彼は観念にたいしては蔑視《べっし》的な無関心さを装っていた。彼は社会的
理想郷をあざけっていた。反抗的な精神から、また、当時流行の病的な人道主義にたいす....
「堕落論」より 著者:坂口安吾
心配はなく、暗闇の深夜を歩き、戸締なしで眠っていたのだ。戦争中の日本は嘘のような
理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた。それは人間の真実の美しさではない。....
「学問の自由」より 著者:寺田寅彦
「絶対の自由」などという夢のようなものはおよそ有りそうもないようである。そういう
理想郷の住民でも、時々は例えば研究の「合理化」といったような、考えようではむしろ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
陸路をアジアからヨーロッパへ抜けてスカンヂナビヤの一角にたどりつき、文明と平和の
理想郷がどんなものであるかをたしかめてみる気になつた。が、ふ虜生活のさま/″\の....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
四十年前の宝塚風景 私が宝塚音楽学校を創めてから、今年でちょうど四十一年になる。今日でこそ、大衆娯楽の
理想郷としてあまねく、その名を知られている宝塚ではあるが、学校をはじめた当時は、....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
発明に向って精進して居たならば、恐らくすでに理想的なものが出来上り、とっくの昔に
理想郷が作られて居たにちがいありません。人類文化発達史上から見た人間の最大欠点は....