理財[語句情報] » 理財

「理財〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

理財の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
日本橋ではひとかどの門戸《もんこ》を張った医師で、収入も相当にはあったけれども、理財の道に全く暗いのと、妻の親佐《おやさ》が婦人同盟の事業にばかり奔走していて、....
親子」より 著者:有島武郎
見えた。けれども息子の無能な点は父にもあったのだ。父は永年国家とか会社銀行とかの理財事務にたずさわっていたけれども、筆算のことにかけては、極度に鈍重だった。その....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
は代数、平面幾何、立体幾何、三角法と物理化学に過度の神経消耗をやり、遂にK大学の理財科を今から三年前に出た「お坊ちゃん」なのだ。科学知識とはまるで正反対の側に立....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
が、菊池がほろびてからここに隠れて、刀を差しながら田畑を耕していたのだそうだが、理財の道にも長けていた人物とみえて、だんだんに土地を開拓して、ここらでは珍しいほ....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
録」などが適当の用法であることは勿論であるから、明治十四年の東京大学の規則には「理財学」と改められた。これはけだし「周易」の伝に「何以聚レ人、曰財、理レ財正レ辞....
心の河」より 著者:宮本百合子
でしょう?」 保夫は、機械的に答えた。 「云わなくちゃあなるまい。――せっかく理財科まで出て遊んでいるのももったいないからな」 さよは、「何故そんな上っ面で....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
制現象だろう。宗教制度調査会に諮問すべく文部省が立案中の宗教法令の統一は、宗団の理財に関してまで国家権力を延ばそうとするものであって、明らかに文化統制現象である....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
物買入とかもほぼ極りがあったから、それだけを見込んでお掛屋に備えて置けば、藩内の理財上には何らの支障もなかった。これは後の話しだが、藩を廃して県となった際に、こ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の一生の義務感であった。ところが私はどの人相見が見ても散財の相があると言われる。理財の質でない。そこらが鋭い直感で父に解るので、そんな教訓めいたポーズをとらせた....
南国太平記」より 著者:直木三十五
あろうが――地味な、蓄財の才能は無い。だから、今、わしが隠居すると、わしの育てた理財家と、斉彬の愛しておる急進派とが、きっと又、いがみ合うにきまっておる。わしも....
旧藩情」より 著者:福沢諭吉
ちう》るのみ。下士族は出入《しゅつにゅう》共に心に関して身を労する者なれば、その理財の精細《せいさい》なること上士の夢にも知らざるもの多し。二人扶持《ににんぶち....
予言」より 著者:久生十蘭
うなことだったのだろう。 それから十日ほどして石黒が帰ってきた。一面、洒脱で、理財にも長《た》け、落合にある病院などもうまくやり、理知と世才に事欠くように見え....
地上」より 著者:島田清次郎
面倒を見て頂く気でなじんでゆくようにしてね、――そうでしょう、若様はたしか慶応の理財科へ行っていらっしゃるのですから、仲良く勉強なすって、ね、――いまに旦那様の....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
にもうけた。 こうして、あぶない橋を渡って大利を獲たばかりでなく、宗庵は、性来理財のみちに長じていた。江戸で、和泉屋をはじめ、その他種々の商売の黒幕となってい....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
。」 「だって私、あの方存じませんわ。」 「どうだっていいじゃないか。あれは地方理財局長の奥さんだぞ。さ、お辞儀をしろと言うに!」と彼は執拗に言い張った、「まさ....