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「琴平〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

琴平の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野分」より 著者:夏目漱石
かに妻を養わぬ夫は、妻の眼から見れば大罪人である。今年の春、田舎から出て来て、芝琴平町《しばことひらちょう》の安宿へ着いた時、道也と妻君の間にはこんな会話が起っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であった金毘羅まいりを思い立って、娘のおげんと下男の儀平をつれて、奥州から四国の琴平まで遠い旅を続けて、その帰りには江戸見物もして、今や帰国の途中であると話した....
十二支考」より 著者:南方熊楠
。今も白鶏は在家《ざいけ》に過ぎたものとし、寺社に専ら飼う所あり。讃岐《さぬき》琴平《ことひら》に多く畜《か》う(『郷土研究』二巻三号、三浦魯一氏報)、『古語拾....
二少女」より 著者:国木田独歩
上 夏の初、月色|街に満つる夜の十時ごろ、カラコロと鼻緒のゆるそうな吾妻下駄の音高く、芝琴平社の後のお濠ばたを十八ばかりの少女、赤坂の方から物案じそうに首をうなだれて来....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
す、錦の袋に入れて二百人でこれへ運びました、天下一の名石でございます。 これが琴平石、平忠度《たいらのただのり》の腰掛石、水の流れのような皺《しわ》のあるのが....
」より 著者:寺田寅彦
ったのである。 父が亡くなった翌年の夏、郷里の家を畳んで母と長女を連れ、陸路|琴平高松を経て岡山で一泊したその晩も暑かった。宿の三階から見下ろす一町くらい先の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の居残り組が休みをもらうことになっております」 水天宮の縁日といえば、虎の門の琴平とならんで、東京随一の人出である。今では盛り場も移り変っているから、今の人に....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
るという次第であった。 この花嵐オソメさんを一枚看板の抜弁天一座が、芝虎の門の琴平様の縁日をあてこんで五日前からかかっていた。 今ではすたれてしまったが、芝....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
多度津との間を往復していたが、その船がちょうど目の下の海を通ったので、私は自ずと琴平詣りのことを連想した。 「こんぴら参りした事がありますか」 「ええ。いく度も....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
「は、は、何事でござりましょうか?」 「今月初旬、七里ヶ浜沖で、そちの持ち船|琴平丸、賊難に遭ったということだな。書き上げによって承知致しておる」 「御意の通....
南国太平記」より 著者:直木三十五
益満は、駕脇を走りながら 「何んと、小藤次殿」 と、振向いた。 「ええ?」 「琴平、舟々って唄を、御存じかな」 琴平《こんぴら》、舟々、追手に帆かけて ひゅ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、そう遠慮なさることアねえ、顔つなぎだ。……もうひとつ、威勢よくやってくんねえ」琴平町《ことひらちょう》の天神横丁《てんじんよこちょう》。油障子に瓢箪と駒をかい....
志士と経済」より 著者:服部之総
かれ同様のことが見出され、京都の雲浜、大和五条の森田節斎《もりたせっさい》、讃岐琴平《さぬきことひら》の日柳燕石《くさなぎえんせき》(これは思想家で博徒の親分だ....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
て置け。おれは直ぐ後から行くから、田舎の客人も二三人招ぶのがあるから」 虎の門琴平さまの朝詣りの帰りに寄ったという魯八は、国太郎の命令でそそくさとみやげのお札....
芝、麻布」より 著者:小山内薫
しぶりで通って、私は今昔の感に堪えなかった。 明舟町は誠に静かなところである。琴平様の縁日の時は、多少賑うが、ふだんはいつもひっそり閑としている。前が宮様で、....