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琴柱
「琴柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
琴柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
らい》なるに、麈尾《ほっす》に払う折々の空音《そらね》に、琵琶《びわ》らしき響を
琴柱《ことじ》に聴いて、本来ならぬ音色《ねいろ》を興あり気に楽しむはいよいよ不思....
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
しになりましたので、私はバッタリと倒れて、お琴の上にひれ伏しました。それと一緒に
琴柱《ことじ》が二つか三つたおれてパチンパチンと烈しい音がしたように思います。 ....
「家霊」より 著者:岡本かの子
親は、死ぬ間際に顔が汚ないと言って、お白粉《しろい》などで薄く刷き、戸棚の中から
琴柱《ことじ》の箱を持って来させて 「これだけがほんとに私が貰ったものだよ」 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を、十三の糸で結んだかと黒繻子の丸帯に金泥でするすると引いた琴の絃、添えた模様の
琴柱の一枚が、ふっくりと乳房を包んだ胸を圧えて、時計の金鎖を留めている。羽織は薄....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
から迎えて養っていたほどであるが、結婚後何年ぶりかでめずらしい女の子が生まれた。
琴柱がその子の名だ。足掛け三つになる
琴柱はもうなんでも言える。それに比べると、お....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
とがある。立法家の須《すべか》らく留意すべき点ではないか。杓子《しゃくし》定規、
琴柱《ことじ》に膠《にかわ》するの類は、手腕ある法律家の事ではない。 九五 ....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
たちの倫理観もまた不断に移らねばならない。永久の真理というものを求めることの愚は
琴柱に膠するにひとしい。永久の真理というような幽霊に信頼して一方のみを凝視してい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
らせになった。院は、 「箏の琴は絃がゆるむわけではないが、他の楽器と合わせる時に
琴柱の場所が動きやすいものなのだから、初めからその心得でいなければならないが、女....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
村さんは息子が踊りで叱《しか》られるのまでハラハラして、その方へ気をつかうので、
琴柱《ことじ》をはねとばしたりした。 「おや、おや、どうも。この方が乱れて――」....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
。 象牙は黄楊と共に、根附にはよく使われるので、支那、朝鮮からの輸入でしょう。
琴柱にも使われましたが、三絃の盛んな頃はそれに使う撥の需要が夥しいのでしたから、....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、霜のように冷うして、虚空蔵の森をうけて寂然としていた。 風すかしに細く開いた
琴柱窓の一つから、森を離れて、松の樹の姿のいい、赤土山の峰が見えて、色が秋の日に....