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琴瑟
「琴瑟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
琴瑟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
分るであろう。して見ると寒月君の代りにこの泥棒を差し出しても必ず満身の愛を捧げて
琴瑟《きんしつ》調和の実を挙げらるるに相違ない。万一寒月君が迷亭などの説法に動か....
「復讐」より 著者:夢野久作
に、やっと人気をつないでいたという事ですが……」 「なる程。そんな事で、とにかく
琴瑟相和していた訳ですな」 「そうです……ところが、その甥の当九郎という青年が実....
「豕」より 著者:田中貢太郎
談話をはじめたが、女の口が旨くてかなわなかった。その後で、帷をおろし、燈に背き、
琴瑟已に尽きたところで、※が啼いて夜明けを知らせた。女は起きて帰ろうとしたが、李....
「読書法」より 著者:戸坂潤
ある。元来氏はアカデミックな気むずかしやの一人である。直子女史のアカデミー振りと
琴瑟相和す部分もないではないようだ。併し結局氏は批評的精神ではなくて肯定的精神で....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
この年馬役|村田小吉の子|広太郎に嫁した。時に年十八であった。既にして矢島周禎が
琴瑟調わざることを五百に告げた。五百はやむをえずして水木を取り戻した。 小野氏....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
日始めて亭主たるの貴きを知ると満足し居る。前年木下(友三郎)博士予の宅に来りこの
琴瑟《きんしつ》和調の体を羨み鎌田に語ると、大分参って居ると見えるといったと『伏....
「連環記」より 著者:幸田露伴
たか、未だ生れていなかったか知らないが、若盛りの夫婦で、女貌郎才、相当って居り、
琴瑟こまやかに相和して人も羨む中であったろうことは思いやられるのである。さて定基....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
に一度、また通し駕籠で郷里を訪れただけの祖母との新|世帯《しょたい》は、それでも
琴瑟《きんしつ》相和したものと見えて、長吉のしめている帯は、祖父が仕立て、時の将....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
い深い尊敬をいだいていた。ジャン・ミシェルの方でも、妻に深く感心していた。二人は
琴瑟相和《きんしつあいわ》して十五年間を過し、四人の子供をもうけた。それからクラ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
堀義哉の女房となった。二人にとってはこのことは、願ってもない幸いであった。勿論|
琴瑟相和した。 義哉の芸名は延太夫と云った。 即ち清元延太夫である。もとが立....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
われわれの知らない、重大な証拠をお持ちになっていられるでしょう、――彼らは大変|
琴瑟相和した夫婦だったと云うことですがね、――」 「私はただあの舞踏人の話を知っ....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
ろし。よく干したものを削って耳掻きに一杯飲むと、身体自ら熱温を生じ性気昂進して、
琴瑟相和するところの奇薬であるという。 抱肝も恐ろしいものの一つだ。抱肝は河豚....
「向嶋」より 著者:永井荷風
如くに言っている。「凡ソ物ノ声、大抵隔ツテ聴クヲ好シトス。読書|木魚《もくぎょ》
琴瑟《きんしつ》等ノ声|最《もっとも》然リトナス。鳩ノ雨ヲ林中ニ喚《よ》ビ、雁ノ....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
得て,その隣に一家を構えた. そのうちに,兄夫婦の間に可愛らしい子供ができて,
琴瑟いよいよ相和すというありさまだった. ところが,おれのところでは,どうした....
「三国志」より 著者:吉川英治
よろこんだ。 しかし、孔明とその新妻とは、実にぴったりしていた。相性というか、
琴瑟相和してという文字どおり仲がよい。 かくて彼の隆中における生活もここ数年を....