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「琺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

琺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
徹して、水底の石は眼玉のようなのもあり、松脂《やに》の塊《かた》まったのも沈み、瑯《ほうろう》質に光るのもある、蝶は、水を見ないで石のみを見た、石を見ないで黄....
渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
供達は、喜び、うめき声を出したりしながら、互いに手をかきむしり合って、携えて来た瑯引《ほうろうび》きの洗面器へ残飯をかきこんだ。 炊事場は、古い腐った漬物の....
河明り」より 著者:岡本かの子
って行った。 河岸側の洋館はたいがい事務所の看板が懸けてあった。その中の一つの瑯質の壁に蔦の蔓が張り付いている三階建の、多少住み古した跡はあるが、間に合せ建....
伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
く思いきって藍《ゴス》を使いましたな。ふうむ。――なかなかいい」 裏には、薄く瑯《ほうろう》のかかった糸底の中に茶がかった絵具で署名がしてあった。先の太く切....
日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
。 第一は金だらいとコップとの摩擦によって発する特殊な音響の問題である。普通の瑯引きの鉢形の洗面盤に湯を半分くらい入れる。そうしてやはり瑯引きでとっ手のつ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
地屋――など、これらの商店はどこも象の模様で食傷している。象の刺繍、象の置物、色瑯製の象の吊垂灯――そして、ちょん髷の人力車夫と、ヘルメット帽の赭顔いぎりす紳....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
そして彼は誰のとも知れない一本の脱毛に興味の全部を集中していた。彼はそれを卓子の瑯板の上に押さえて、ペン・ナイフで端から細かく刻む仕事に没頭していた。彼はまた....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の紗《しゃ》の着物を着、頭には金色の麦の穂をつけ、本物の髪毛がついていて、目には瑯《ほうろう》が入れてあった。通りがかりの十歳以下の子供は、その珍しい人形にび....
腐った蜉蝣」より 著者:蘭郁二郎
は、もうお午をまわっていたが、勝手口のところには、疾うに冷め切った味噌汁を入れた瑯の壜と一緒に、朝食と昼食の二食分が、手もつけられずに置かれてあるのを見、 (....
稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
に、不思議なもので、何ともなくなりました。そうして幾十分かの後腹部内臓の全部が、瑯鉄器製の大盆の上に取り出されたときには、そばにあったピンセットを取り上げて、....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
けじゃなかったろ。氷河へ行けば大きな亀裂《クレヴァス》がある。吹雪は吹く。まるで瑯引《ほうろうび》きの便所の壁のように、つるつるした氷の崖なんかがあって、女の....
肉腫」より 著者:小酒井不木
うに命じた。 やがて、看護婦は、ガーゼで覆われた、長径二|尺ばかりの、楕円形の瑯鉄器製の盆を捧げてはいって来た。それを見た患者は、 「おいお豊、起してくれ」....
食道楽」より 著者:村井弦斎
の台所へ往《い》って御覧なさい、古びた青銅鍋《からかねなべ》だの粗製《そせい》の瑯鍋《ほうろうなべ》だのあるいは銅《あかがね》の鍋だの真鍮鍋《しんちゅうなべ》....
食道楽」より 著者:村井弦斎
。 ○また前法の如くスープを作り牛の尾を骨のまま入れてもよし。 第二百五十一瑯鍋《ほうろうなべ》 小山「そこでお料理が七色揃いました。エート最初のスープ....
九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
質焼といって、全然気分のかわった淡い水彩画のような感じのもので、地《じ》を卵色の瑯《ほうろう》で焼き付けて、模様を白く残したようなものだった。この玉質焼は、一....