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瑁
「瑁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瑁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
とみ、後ろにさばいて束ねられた黒漆《こくしつ》の髪、大きなスペイン風《ふう》の玳
瑁《たいまい》の飾り櫛《ぐし》、くっきりと白く細い喉《のど》を攻めるようにきりっ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
んでいて、どの甕にも緑の酒があふれ出しそうに満《なみ》なみと盛ってあった。珠や玳
瑁《たいまい》で作られた大きい盤の上には、魚の鰭《ひれ》や獣の股《もも》が山のよ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
じゃないか。わたしは、さっきあの女が菅笠を取った時に、ちらと睨んでおいたのさ。※
瑁《たいまい》の揃いに相違なかったよ」と、お弓はのしかかるようにいった。殺した女....
「南島譚」より 著者:中島敦
留めたという誉《ほま》れの投槍が蔵されている。彼の所有する珠貨《ウドウド》は、玳
瑁《たいまい》が浜辺で一度に産みつける卵の数ほど多い。その中で一番貴いバカル珠に....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に送って来た。 「これから十年の後にまたお目にかかります」 崔は形見として、玳
瑁のかんざしを女に贈った。女は玉の指輪を男に贈った。門を出て、ふたたび馬にのって....
「緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
、暗い所で、あなたをお待ちしていて、綉羅の銭篋を差しあげますと、あなたは私に、※
瑁の脂盒をくださいました、二人の間は、そうした許し合った仲になりましたが、奥と表....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
んじゅつ》と標題のある工学書を参考して、 「ええと、何だって？――木地を塗りて玳
瑁《たいまい》あるいは大理石《マルメル》の観をなさしむる法、とくらあ。まず材をよ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
ぬ者と或夜の物語りに聞しに此ありさまの口惜と腸を断つ苦しさ。天女も五衰ぞかし、玳
瑁の櫛、真珠の根掛いつか無くなりては華鬘の美しかりける俤とどまらず、身だしなみ懶....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
に耽っております。山海の珍味、錦繍の衣裳、望むがままに買うことも出来、黄金の簪※
瑁の櫛、小判さえ積めば自分の物となる。そうです。実に小判さえ出せば万事万端｜己が....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
他ならぬ寿老人の星右衛門。 「さっき浅草で拾ったのは、これも桔梗様の持ち物？ ※
瑁《たいまい》の櫛へ巻き付けた血書！ そうしてここには銀簪！ とするとこれからも....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
朝の不忍の天女｜詣は、可憐く、可愛い。 十七 お京は下向の、碧玳
瑁、紅珊瑚、粧門の下で、ものを期したるごとくしばらく人待顔に彳んだのは誰がためだ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せて蓋《ふた》を払って見ると、
「どうだ、どうだ」
「真黒いものがあるよ」
「※
瑁《たいまい》じゃないか」
「何でしょうね」
お蘭どのが引出して見ると古い瓦で....
「怪しの者」より 著者:国枝史郎
いますことゆえ、召されておられるお召し物なども、豪勢なもので、髪飾りなどは銀や玳
瑁でございました。 「ほんとに好い男振りでございますのね」 とお柳という女中も....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
ことを言う者が二、三人出て来たので、三次は懐中から今の櫛を出して一同に見せた。玳
瑁《たいまい》の地に金蒔絵《きんまきえ》で丸にいの字の田之助《たゆう》の紋が打っ....
「娘」より 著者:岡本かの子
に自前持ちの猪牙船を繋いで深川や山谷へ通った。 室子の家の商品の鼈甲は始め、玳
瑁と呼ばれていた。徳川、天保の改革に幕府から厳しい奢侈禁止令が出て女の髪飾りにも....