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瑚
「瑚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瑚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
まだ一度も過ちを犯さなかったという訣《わけ》ではない。もう今では二年ばかり前、珊
瑚珠《さんごじゅ》などを売る商人の手代《てだい》と僕等を欺《あざむ》いていたこと....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
い肩のあたりや、指節《ゆびふし》の太い手の恰好《かっこう》には、未《いまだ》に珊
瑚礁《さんごしょう》の潮《しお》けむりや、白檀山《びゃくだんやま》の匂いがしみて....
「影」より 著者:芥川竜之介
》の指環がはいっている。
「久米《くめ》さんに野村《のむら》さん。」
今度は珊
瑚珠《さんごじゅ》の根懸《ねか》けが出た。
「古風だわね。久保田《くぼた》さんに....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
めて精巧な細工《さいく》らしい。その上顔は美しい牙彫《げぼり》で、しかも唇には珊
瑚《さんご》のような一点の朱まで加えてある。……
私は黙って腕を組んだまま、し....
「路上」より 著者:芥川竜之介
かいうん》が簇々《ぞくぞく》と空に去来していると云う事、その雲の下に干してある珊
瑚採取《さんごさいしゅ》の絹糸の網が、眩《まばゆ》く日に光っていると云う事、自分....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
で夫人を誘《さそ》う事能わず。ただ、黄昏《こうこん》と共に身辺を去来して、そが珊
瑚《さんご》の念珠《こんたつ》と、象牙に似たる手頸《てくび》とを、えもならず美し....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
声を出した。
「ほんとうですが、――ですが、実はあの琅※《ろうかん》の代りに、珊
瑚《さんご》の――その管玉《くだたま》を……」
「どうしてまたそんな真似《まね》....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
るす》を胸に懸けて、パアテル・ノステルを口にした日本を、――貴族の夫人たちが、珊
瑚《さんご》の念珠《ねんじゅ》を爪繰《つまぐ》って、毘留善麻利耶《びるぜんまりあ....
「星座」より 著者:有島武郎
やかに客を見上げた。つつましく左手を畳についた。その手の指先がしなやかに反って珊
瑚《さんご》色に充血していた。
意外なというごくごくささやかな眼だけの表情、か....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た。あわれ、蔦に蔓に留まった、道子と菅子が色ある残懐は、滅びたる世の海の底に、珊
瑚の砕けしに異ならず。 折から沖を遥に、光なき昼の星よと見えて、天に連った一点....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
素二原子より成る）の研究があるが、その結果から見ても、またそれらの時代における珊
瑚礁の地理的分布の跡から見ても、地球上の気温並びに太陽の輻射は当時と今とでそれほ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
らな、深川の御船蔵前とか、浅草の本願寺の地内とかいう所へ、小さい菰座を拡げて、珊
瑚珠、銀簪、銀煙管なんかを、一つ二つずつ置いて、羊羹色した紋付を羽織って、ちょっ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
あなた、大それた。」 そうだろう、題字は颯爽として、輝かしい。行と、かなと、珊
瑚灑ぎ、碧樹梳って、触るものも自から気を附けよう。厚紙の白さにまだ汚点のない、筆....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
動くに従うて、颯と揺れ、溌と散って、星一ツ一ツ鳴るかとばかり、白銀黄金、水晶、珊
瑚珠、透間もなく鎧うたるが、月に照添うに露｜違わず、されば冥土の色ならず、真珠の....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
つけになりぬ。 目もようよう判然と、蚊帳の緑は水ながら、紅の絹のへり、かくて珊
瑚の枝ならず。浦子は辛うじて蚊帳の外に、障子の紙に描かれた、胸白き浴衣の色、腰の....