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「瑞兆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

瑞兆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
るべし、明年|姚興《ようこう》果して来り女を献ず〉すなわち白兎は色皙の別嬪が来る瑞兆《しるし》で、孝子の所へも来る由見え、また〈王者の恩耆老に加わりまた事に応ず....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
目撃したと言うものがあり、何かこれは伊勢太神宮のお告げだと言うものがあり、豊年の瑞兆だと言って見るものもある。このにぎやかな「えいじゃないか」の騒動は木曾地方に....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
いたら人間の頭蓋骨が一つ出て来た。しかし人々はこれこそこの場所が世界の主都となる瑞兆であるということを信じて疑わなかったとある。われわれの現在の考え方だと、これ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
リトン王アーサーの父アサー陣中で竜ごとき尾ある彗星を見、術士より自分が王たるべき瑞兆と聞き、二の金竜を造らせ、一をウィンチェスターの伽藍に納め、今一を毎《つね》....
天守物語」より 著者:泉鏡花
あ、怪しく、凄く、美しい、婦の立姿と見えたはこれだ。 修理 化るわ化るわ。御城の瑞兆、天人のごとき鶴を御覧あって、殿様、鷹を合せたまえば、鷹はそれて破蓑を投落す....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
」のヨーロッパによって支配されて来たアジアにとって、ヨーロッパ大戦以来、「復興の瑞兆」が現われ始めた、今後は愈々アジアが支配する世界が来るのだ、というのである。....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
瑞とするが、魔が咲かせたかも知れないんです。反対に、お誓さんが故郷へ帰った、その瑞兆が顕われたとして、しかも家の骨に地蔵尊を祭る奇特がある。功徳、恭養、善行、美....
十二支考」より 著者:南方熊楠
和漢とも絵《えが》くは、最初外国から似寄った動物を染め飾り持ち来ったのに欺かれ、瑞兆として高く買ったでなかろうか。日本でも上杉家の勇将|新発田《しばた》因幡守治....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
持は二年六月に因幡守に任ぜられた。「新しき」はアラタシキである。新年に降った雪に瑞兆を託しつつ、部下と共に前途を祝福した、寧ろ形式的な歌であるが、「の」を以て続....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
その所で滅えるのである。滅えて滅えて、そのあとがほんのりと明るくなる。 これは瑞兆だ。小さな魂が新しい肉体に宿って現われて来るには、またとない潮時である。生れ....
魔都」より 著者:久生十蘭
ともに美しい歌を唄い出すというのはもはや紛れもない事実になり、これは何か国家的な瑞兆に違いないというので「唄う鶴の噴水」の事は急に東京の市中でやかましく評判され....
「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
の根本精神が、かような進化の道程と合致している好例証である。将来の喜多流万々歳の瑞兆に外ならぬのである。 「生活+戦争+スポーツ÷0=能」の意味がわかったかナ?....
食指談」より 著者:佐藤垢石
ら、私は正に鹿の絶醤に恵まれたわけである。 今年は、運が向いてくるかも知れぬ。瑞兆といってよかろう。 次に、焼肉が出た。これはやわらかい上に、味品秀調である....
小説 円朝」より 著者:正岡容
した江戸前のスッキリした眺めも、いよいよ自分も一人前の芸人の仲間入りができるかの瑞兆のような、いいしれぬ喜ばしさを圓朝の胸に滲ませないではおかなかった。一日に何....
申訳」より 著者:永井荷風
咲いたように見えるのを謂うのである。僕は初木氷の名も知らず、亦これが詩人の喜んで瑞兆となすものであることも知らなかったが、近年に至ってたまたま大窪詩仏の集を読む....